2024.04.09

レディース メンズ
健康

【医師監修】朝起きたら寝汗でパジャマがベタベタ!寝汗の原因と対策

寝汗でお悩みの方も多いのではないでしょうか。不快感で目覚めてしまったり、体が冷えてしまったり、体がベタベタして朝もシャワーを浴びなければならなかったり……寝汗が気になると様々なトラブルやストレスが発生します。そこで今回は、寝汗の原因や、寝汗を抑えるための対策などについてご紹介します。

   

寝汗をかく理由

寝汗をかく理由

睡眠中の発汗には、体温を下げ、眠りを深くする役割があり、健康な大人の場合、夏でも冬でも一晩にコップ1杯程度の寝汗をかくとされています。

しかし、寝汗をかきすぎると、不快感につながるばかりか、体が冷えて風邪をひいてしまうおそれもあります。

   

寝汗の量が多くなる原因

寝汗の量が多くなる原因

まずは、寝汗の量が多くなる原因についてみていきましょう。

原因1.ストレス

精神的なストレスは、寝汗が多くなる原因になります。嫌な夢を見たときに寝汗をびっしょりかいていた……なんて経験がある方も多いかと思います。

精神的なストレスが大きいと、自律神経の乱れを招き、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなってしまいます。

すると、睡眠中の体温調整が正常にできなくなり、寝汗を大量にかいてしまうことがあります。

原因2.加齢によるホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも、寝汗が増える原因になります。

更年期障害の症状のひとつとして寝汗が挙げられるのも、この年代になるとホルモンバランスが崩れやすくなるからです。

   

あわせて読みたい

原因3.アルコールの飲みすぎ

 

「お酒を飲んだ日、寝汗がひどかった」といった経験がある方もいるのではないでしょうか。アルコールを摂取すると、体内でアセトアルデヒドという物質が発生します。

アセトアルデヒドは肝臓をはじめとする臓器の働きによって分解されて汗や尿として体外に排出されます。

アルコールの摂りすぎによって、アセトアルデヒドが大量に発生し、その分解のために寝汗が多くなってしまうのです。

原因4.睡眠環境

睡眠環境が悪い場合も、寝汗が増える原因になります。

部屋が暑すぎる、暑い時期に冬場の寝具を使っているなど、汗をかきやすい睡眠環境で寝ると寝汗をかきやすくなります。

原因5.生理前は寝汗が増えることもある

生理前になるとホルモンバランスの影響で体温が上昇します。そのせいで普段よりも寝汗をかきやすくなる方もいます。

原因6.病気が隠れているおそれも

思い当たる原因もないのに寝汗がひどい場合、自律神経や甲状腺などに異常が発生している可能性があります。

寝汗があまりにもひどい、または寝汗以外にも体調不良など気になる症状がある方は、病院で診察や検査を受けることをおすすめします。

   

寝汗をそのままにしておくのは良くない

寝汗をそのままにしておくのは良くない

寝汗は睡眠のために必要な生理現象ですが、過剰にかいた寝汗をそのままにしておくのは良くありません。以下のような体調不良・体のトラブルを招くことがあります。

風邪をひきやすくなる

寝汗が冷えて体温を奪い、風邪をひきやすくなることがあります。

肌トラブルを招く恐れがある

寝汗が肌トラブルを招くこともあります。特に起きやすいのはあせもです。毎晩寝汗をかくことで、かゆみや炎症などが慢性化してしまうこともあるため注意しましょう。

また、ニキビなどの肌荒れを悪化させるおそれもあります。

寝苦しさ・寝不足の原因になる

夜中に寝汗をかいて目が覚めてしまったり、不快感で眠りづらくなったり、寝汗があまりにも多い場合、睡眠の質を低下させてしまいます。

寝具の嫌なニオイや体臭の原因になる

寝具に吸収された汗をそのまま放置すると嫌なニオイが発生します。また、起床後のシャワーを怠ると体臭の原因にもなります。

   

寝汗が多いことで考えられる病気や疾患

寝汗が多いことで考えられる病気や疾患

寝汗が長時間続いたり、部分的に寝汗をかいたりする場合には、何らかの病気が原因である可能性があります。

症状として寝汗が考えられる病気は、内分泌疾患や感染症(結核やHIV、性感染症など)、悪性腫瘍(悪性リンパ腫やそのほかのがん)など多岐にわたりますが、頻度の高いものは以下のとおりです。

  • ・睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  • ・多汗症
  • ・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  • ・更年期障害
  • ・月経前症候群(PMS)
  • ・自律神経の乱れ
  • ・逆流性食道炎

寝汗が気になる方は、内科を受診し、診察や血液検査から寝汗となる病気の可能性があるかをチェックできます。検査の結果、内科で別の可能性が見つかれば、他の科を紹介してもらえます。

また、月経前症候群やPMS、更年期障害の可能性がある場合は、婦人科を受診してみるのも一つの方法です。自律神経の異常が疑われる場合は、心療内科や精神科へ相談してみましょう。

次項では、寝汗の原因として考えられる7つの病気について、詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が止まったり(無呼吸)、浅くなったり(低呼吸)することを繰り返す病気です。

睡眠時無呼吸症候群には、いびきや寝言、口や喉の渇き、慢性的な疲労感などの症状が見られますが、大量の寝汗をかくこともあります。

無呼吸は、軽い窒息状態です。そのため、窒息による息苦しさから、手足が激しく動いたり、寝汗が増えたりしやすくなります。

また、睡眠中は副交感神経が優位になるものですが、無呼吸や低呼吸によって低酸素状態が続いていると、脳が覚醒して交感神経が優位となり、体温調整がうまくできません。その結果、寝汗を多くかいてしまうことがあります。

睡眠時無呼吸症候群のきっかけとなるのは、いびきや無呼吸(息が止まる感じがして起きる、他の人に指摘される)が大半です。

症状に心当たりがある方は、睡眠科や睡眠障害を扱っている診療科(内科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、循環器内科など)を受診しましょう。

多汗症

多汗症は、体温調節に必要な量以上の大量の汗をかくことで、日常生活にさまざまな支障をきたす病気です。

全身に汗が増える「全身性多汗症」と、体の一部に汗が増える「局所多汗症」があります。局所多汗症は、顔や頭部、脇、手のひら、足の裏の限定した部分に発汗します。

多汗症の方がかく寝汗は、粘度が高く、ベトベト・ねばねばしていることが特徴です。

汗で日常生活に困っている方、多汗症の疑いがある方は、皮膚科を受診してみましょう。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)は、喉仏のあたりにある甲状腺に異常が起こり、代謝を調整する甲状腺ホルモンの分泌が活発になる病気です。

甲状腺ホルモンは交感神経の働きを活発化するため、発熱や動悸、イライラ感、手の震え、食欲増大、体重減少、首の前あたりが腫れる、目が出るなどの症状が出ます。

甲状腺ホルモンが寝ている間も分泌されれば、発熱の症状により、体温が上昇して寝汗をかくことにつながるでしょう。

甲状腺機能亢進症が疑われる方は、内分泌科を受診してください。

更年期障害

更年期障害とは、年齢を重ねることで卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少する病気です。

ホルモンバランスが崩れることで、肩こりや疲れやすさ、頭痛、のぼせ、腰痛、発汗、不眠、イライラ感などの症状が出ることがあります。

女性ホルモンが減少すると、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れるため、体温調整ができなくなります。これにより、のぼせや発汗が起こり、寝汗をかきやすくなります。

更年期障害が気になる方は、婦人科を受診しましょう。

月経前症候群(PMS)

月経前症候群とは、生理の3〜10日くらい前に始まる、さまざまな精神的・身体的な不調です。生理開始とともに、症状は軽快または消失します。

月経前症候群の精神的な不調として代表的なのが、情緒不安定やイライラ感、不安、眠気、集中力の低下などです。そして、身体的な不調としては、腹痛や頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張りなどが挙げられます。

生理のたびに寝汗をかく場合は、月経前症候群の可能性があるでしょう。

排卵以降の高温期には、基礎体温が0.3度から0.5度上昇します。そのため、基礎体温の上昇が原因で寝汗をかきやすくなります。

月経前症候群の症状がひどい場合は、婦人科を受診しましょう。

自律神経の乱れ

自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなります。その結果、倦怠感や不眠、疲れ、頭痛、動悸、めまい、立ちくらみ、情緒不安定など、多岐にわたる症状が出ます。

自律神経の乱れにより交感神経が優位になると、血管の拡張と収縮のコントロールが効かなくなって体温調整ができません。よって、のぼせや発汗が起こり、寝汗の原因になります。

また、自律神経の乱れは、ストレスや疲れ、睡眠不足、不規則な生活、ホルモンバランスの変化などが原因で起こることが多いです。

しっかりと休息をとることや、規則正しい生活を送ることで自律神経の改善につながります。

なお、精神疾患に伴い自律神経のバランスが乱れることもあります。セルフケアでの改善が難しい場合には、心療内科や精神科の受診を考慮してください。

逆流性食道炎

寝汗の原因として、いちばん頻度が多いといわれる疾患が逆流性食道炎です。

胸やけやげっぷが気になる、食後すぐに横なってしまう方などは逆流性食道炎の可能性があります。

寝汗とあわせて逆流性食道炎を疑う症状がある場合には、内科や消化器科を受診するようにしてください。

あわせて読みたい:イライラ、異常な汗、疲れがとれない原因は…男性にもある更年期かも。対策をチェック!

   

あわせて読みたい

   

快適な眠りのために。寝汗の量が多いときに試したい7つの対策

快適な眠りのために。寝汗の量が多いときに試したい7つの対策

1.ストレスをためない

慢性的なストレスは、過剰な寝汗の原因になります。ストレスをためないよう、自分なりのストレス解消方法を見つけましょう。

おすすめは、寝る前にお風呂にゆっくりと浸かることです。体が温まって頭も体もリラックスし、自律神経が安定しやすくなります。

2.生活のリズムを整える

寝る時間や起きる時間が不規則・食事の時間もバラバラ……など、生活リズムが乱れていると体内時計が狂いやすくなり、自律神経が乱れてしまいます。

規則正しい生活で体内時計を正常に戻し、自律神経の安定を心がけましょう。自律神経が安定すると、ストレスも溜まりにくくなります。

3.寝室の環境を整える

就寝環境を整えることも大切です。夏場の室温は室温26℃・冬場は室温16〜19℃程度になるようにしましょう。

また、湿度は年間通して50〜60%に保つのが理想的です。加湿器や除湿機などを使用して、湿度をコントロールしましょう。

4.寝具を見直してみる

汗を吸収し、湿気を逃がしてくれる寝具を利用しましょう。

夏場は、「速乾性」のシーツがおすすめです。冬場は、汗を吸収しやすいタオルケットを体と毛布の間にかけるなど、体を温めつつ汗を逃がすための工夫をしてみてください。

5.吸放湿性の高いパジャマを選ぶ

寝るときの服装も重要です。暑すぎるパジャマや汗を放出しにくく蒸れやすいパジャマは、寝汗が冷えて風邪をひきやすくなったり、汗がベタベタして不快感にもつながります。

おすすめは、綿やシルクなど天然素材のパジャマです。吸湿性が高いので寝汗をかいても乾きやすく、快適に眠ることができます。

オーガニックコットン100%でやさしい風合いが心地よいダブルガーゼ素材のパジャマ。ナチュラルでスタイリッシュなデザインです。

▶綿100%のパジャマ一覧

レディース 婦人パジャマ [本体綿100%]
メンズ 紳士パジャマ [本体綿100%]

シルク100%の光沢感と肌ざわりをお楽しみいただけるパジャマです。シルクは吸湿性、保湿性、放湿性など、機能面においても優れた素材です。暑い季節から冷えが気になる頃まで、快適にすごせます。

▶レディースもあります

【シルク100%】パジャマ 長袖長パンツ<GL4992>

6.パジャマの下にインナーを着る

インナーは暑い時には汗を吸収し、寒い時には体を温める働きがあり体温調節に役立ちます。

汗で湿った状態だと不快感で目が覚めてしまう場合もありますが、インナーが汗をしっかり吸収することで、不快感を軽減できるでしょう。

寝るときに着るインナーの選び方は

・締め付け感のないもの
締め付けがありすぎるとストレスになるので、適度に体に沿うものを選びましょう。
・縫い目やタグがないもの
皮膚への圧迫やチクチク感を軽減してくれます。
・綿混素材のもの
綿素材は吸水性に優れているので、汗のムレや不快感を軽減してくれます。
肌あたりもやさしいので、心地よく着られます。

   

オーガニックコットン混で、やさしく体にフィットするインナーです。縫い目や洗濯タグがないので、チクチク感を軽減してくれます。

▶綿混インナー一覧

レディース インナートップス・肌着 [本体綿100% / 綿混 / 縫い目ゼロ]
メンズ インナートップス・肌着 [本体綿100% / 綿混 / 縫い目ゼロ]

7.寝る前にコップ1杯の水を飲む

水分の摂取量が少ないと、ベタベタとした汗をかくことがあります。

寝る前にコップ1杯分の水を飲むことで、汗の粘度が低下し、寝汗をかいても蒸発しやすくベタつきにくくなります。

   

環境と衣類を整えて質の良い睡眠をとりましょう

睡眠は心身の回復に役立つものであり、健康に深く関わっています。寝汗がひどいと、睡眠の質が下がってしまい、体調不良を引き起こしかねません。

寝汗の原因は、ストレスやホルモンバランス、睡眠環境などにあります。ストレスをためないよう生活のリズムを整えたり、就寝時の環境を整えたりしながら、質の良い睡眠をとりましょう。

また、寝汗対策に役立つアイテムを取り入れることもおすすめです。

ただし、寝汗は病気が原因となっていることもあります。病気の症状に心当たりがある方は、早めに病院を受診してみましょう。

   

あわせて読みたい

【この記事の監修者】
木村眞樹子
医師・木村眞樹子
東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院循環器内科入局。現在も東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、嘱託産業医として企業の健康経営にも携わっている。
※この記事は、正しい情報発信を行うために、医師に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません
   

この記事に関連する商品カテゴリ

こちらの記事もおすすめ

【医師監修】朝起きたら寝汗でパジャマがベタベタ!寝汗の原因と対策

この記事をSNSでシェア

【医師監修】朝起きたら寝汗でパジャマがベタベタ!寝汗の原因と対策