2023.10.23

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知恵 季節

【医師監修】靴下の重ね履きは逆効果?冬の冷え対策法ご紹介

冷え込むにつれて足の寒さが気になり、「靴下の重ね履きは冷え対策になるのだろうか」と、お考えの方は多いのではないでしょうか?
 
そこでこの記事では、足が冷える原因、冷え対策の一つとしてできる「靴下の重ね履き」のメリット・デメリット、そして足の冷え対策法を分かりやすく解説します。
 
あわせて、冷え対策におすすめの靴下やルームシューズについてもまとめていますので、足の寒さ対策にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
 
 

■そもそもなぜ足が冷えるのか

そもそもなぜ足が冷えるのか
寒さが厳しい季節を迎えると、「足の冷え」に悩まされる方は少なくありません。しかし、そもそもなぜ足は冷えてしまうのでしょうか?
ここではまず、足が冷えてしまう原因について見ていきましょう。

●原因1.運動不足で筋肉量が少ない

足が冷える原因の一つに、筋肉量があげられます。
 
筋肉量が少ないと基礎代謝が低くなってしまい、内臓や筋肉の機能が衰えやすくなります。これにより、手足や体の冷えにつながるおそれがあるのです。
 
特に脂肪は、一度冷えてしまうとなかなか温まらないため、日常生活で運動不足の方は、筋肉量が少ない一方で脂肪が多くなり、より冷えやすくなります。
 
筋肉量を増やして代謝をあげれば体は温まるため、筋肉量を低下させないように気をつけることが大切です。

●原因2.ホルモンバランスが乱れている

ホルモンバランスの乱れが、体の冷えにつながることもあります。
 
女性ホルモンのバランスが乱れてしまうと自律神経の働きが低下し、手や足先まで血液がしっかりと行きわたらない状態になります。すると、体温が低下して冷えの症状が起きやすくなります。
 
ホルモンバランスを整えるために、十分な睡眠やバランスの良い食事、ストレスの軽減などで体調を整えていくことが大切です。

●原因3.ストレスが溜まっている

日々の生活で感じるストレスの蓄積も、冷えを引き起こす原因になります。
 
強いストレスで自律神経の働きが乱れると、血流の調整がうまくいかなくなり、体が冷えやすくなるためです。
 
日々のストレス解消のために、スポーツなどで体を動かす、リラックスできる時間を作るなど、自分にあった方法でストレスを軽減させましょう。

●原因4.食生活や生活習慣が乱れている

不規則な生活習慣や食生活の乱れによっても、体は冷えやすくなります。
 
栄養バランスが偏った食生活を続けると、ミネラルやビタミンが不足し、血流が悪くなるためです。
 
また、特に女性は鉄分不足になりやすく、鉄分が不足すると冷えや倦怠感、息切れなどを引き起こす原因になります。
 
普段の食生活では、ミネラルやビタミン、鉄分などを意識して、バランスの良い食生活を心掛けましょう。

●原因5.気温に適した服装ではない

服装が原因で、体を冷やしてしまうこともあります。
 
例えば、真冬にスカートや丈の短いボトムなど露出が多い服装をすると、冷気から体温を守るために毛穴が収縮します。これにより血行不良になりやすくなります。
 
また、下着や靴などで体を締め付けてしまうと血流が悪くなり、体の冷えを悪化させる原因になることもあります。
 
そのため、冬場は体を冷やさないような服装を意識しましょう。特に、首や手首、足首には太い動脈があり気温の影響を受けやすいため、この3つを温めることが冷え対策として必要です。
 
 

■靴下を重ね履きするメリット

靴下を重ね履きするメリット
 
足が冷えると、「靴下を重ね履きしてみようかな」と考える方も多いでしょう。
 
しかし、靴下の重ね履きは本当に足の冷え対策に効果的なのでしょうか?ここでは、靴下を重ね履きするメリットを一つ紹介します。

●足を覆うことで安心感を得られる

靴下は、寒さから身を守ると同時に、安心感を得られるというメリットもあります。また、足元の冷えが気にならなくなると、寒い時期でも行動しやすくなるでしょう。
 
肌ざわりの良い生地を選ぶことで、ふわりと包まれているような安心感と心地良さを感じられる点はメリットといえます。
 
 

■靴下を重ね履きするデメリット

靴下を重ね履きするデメリット
 
靴下の重ね履きにはメリットがある半面、デメリットもあります。
 
冷え対策として取り入れたものの、「かえって逆効果になってしまった」ということがないよう、靴下を重ね履きするデメリットについても見ていきましょう。

●蒸れてしまうと逆効果

靴下は足に密着しているものが多いため、熱がこもって逃げにくくなり、足元が蒸れやすくなります。
 
足元が蒸れて汗をかいたままでは、残った汗が冷たい空気などに触れて冷えてしまいます。そのため、足を温めるつもりが、かえって足を冷やすことになってしまうのです。
 
また、汗をかいて足先が冷えてしまうと、霜焼けのリスクもあります。靴下は、できるだけ吸湿性・放湿性に優れたものを選ぶことをおすすめします。

●締め付けが強い靴下の場合は血行が悪くなる

足は本来、細かい骨で成り立っているため、柔らかく動くものですが、重ね履きによって足が強く締め付けられると、動きが制御されてにぶくなり、血行が悪くなってしまいます。
 
そのため、重ね履きによって足元を温めるつもりが、かえって冷えを悪化させてしまうおそれがあります。
 
靴下の重ね履きで締め付けを感じるときには、大きめのサイズの靴下に変えたり、重ねる枚数を減らしたりといった対策が必要です。

●靴が履けない場合がある

靴下を重ね履きすると、普段履いている靴がきつくて履けなくなる可能性があるため、場合によってはワンサイズ大きい靴が必要になります。
 
しかし、靴下の重ね履きのために、わざわざ靴を買うことに抵抗がある方も多いでしょう。
 
室内では問題なく重ね履きできていても、靴がきつくなることが原因で、外出のときには重ね履きできなくなる点は、デメリットといえます。
 
 

■靴下を重ね履きするときの素材選び

靴下を重ね履きするときの素材選び
 
靴下の重ね履きは、単純に靴下を重ねて履くだけでは冷え対策にならない場合があります。
 
また、前述した「蒸れ」や「締め付け」などでかえって冷えを招くことを避けるために、素材や厚みをチェックすることも大切です。
 
ここでは、重ね履きをする際に一番はじめに履くと良いおすすめの素材を紹介します。

●はじめに履く靴下はシルク混ソックスがおすすめ

重ね履きのはじめに履く靴下は、薄手の「シルク混ソックス」がおすすめです。
 
シルクは、蚕(カイコ)の繭から取れる天然繊維で、吸放湿性や保温性に優れており、蒸れにくくする効果があります。
 
なめらかな肌ざわりで静電気も起きにくく、夏は涼しくて冬は暖かいです。
 
また、重ね履きによる過度の締め付けを軽減するため、重ね履きのはじめに履く靴下は、厚手の靴下よりも薄手の靴下を選びましょう。
 
薄手のシルク混ソックスをはじめに履き、その上に綿かウール素材の靴下を重ね履きするのがおすすめです。
 
【はじめに履く靴下におすすめ】
 
「シルク混ソックス」は、肌なじみの良いシルクを贅沢に使った靴下です。吸湿性・放湿性に優れているため、蒸れにくく快適に過ごせます。また、重ね履き用だけでなく1枚でもお使いいただけます。
 
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【2番目に重ねるのにおすすめ】
 
「綿混無地くるくるクルー丈ソックス」は、表側綿100%で肌あたり優しく、蒸れにくい靴下です。靴下職人が作りにこだわった商品で、柔らかくゆったりとした履き心地となっています。
 
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▶ウール混ソックス一覧
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家の中での冷え対策はルームシューズやルームソックスがおすすめ
 
家の中での冷え対策として、ルームシューズやルームソックスもおすすめです。締め付けのない靴下や、つま先を開閉できる2wayタイプの靴下、そして裏ボア生地を使用した軽くて暖かいルームシューズなどがあります。
 
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■寝るときは重ね履きよりもレッグウォーマーがおすすめ

 
寒い季節になり足が冷えると、靴下を履いて寝るという方も多いでしょう。
 
就寝時に靴下を履くと足を暖かく包み、眠りの環境を整えるというメリットがあります。
 
しかし、靴下を履いて寝ることで、足が蒸れて不快感を覚え、かえって睡眠を妨げられる場合もあります。また、靴下の締め付けが強いと足が締め付けられて血液循環が悪化し、冷えの原因になることもあります。
 
冷えが気になり、なかなか寝付けない方は、足先を覆わないレッグウォーマーがおすすめです。
 
 
「2wayつま先開閉ソックス」は、睡眠中でも楽に脱げるうえ、足先を解放することで蒸れにくく、暑くなり過ぎません。ネイルケアをするときにも役立ちます。
 
 
 

■足の冷えの対策方法

 
足の冷え対策には、靴下のほかに、どのような対策があるのでしょうか?ここでは、4つの対策方法を紹介します。

●栄養バランスの良い食事をとる

足の冷え対策には、できるだけ体を冷やす食べ物を控えて、栄養バランスの良い食事をとるようにしましょう。
 
食事で摂取したエネルギーの多くは熱となり、体を温めてくれます。
 
血行を良くする「ビタミンE」、肉や卵など筋肉を作るのに必要な「タンパク質」を食事で積極的に摂取してください。
 
また、新陳代謝を良くする納豆や味噌などの発酵食品、体を温める唐辛子やしょうが、にんにく、たまねぎなどもおすすめです。

●温度や気候に適した衣類を着る

セーターやコートを着ていても、首や手足が冷えていると体はなかなか温まりません。
 
そのため、特に気温が低い日には、首と手首そして足首を温めるような服装を意識しましょう。
 
例えば、首元はハイネックやタートルネックを着用するか、首元があいたトップスであれば、マフラーなどでカバーしてください。
 
また、スカートを着用する場合はタイツや靴下とあわせて、ブーツで足首をカバーするのもおすすめです。

●運動をして筋力をつける

適度な運動で筋力をつけることは、冷え対策に効果的です。
 
特に、体の中でも一番大きな筋肉がある太ももや、末端の血液を心臓に戻すために重要なポンプ作用を担っているふくらはぎを鍛えるのがおすすめです。
 
例えば、テレビを見ている時間を使ってスクワットをしたり、エレベーターやエスカレーターを使用せず、階段を使用したりすることでも筋肉が刺激され、体を温められます。

●入浴して体を温める

毎日入浴し、体を芯から温めることも、冷え対策に効果があります。
 
お風呂の温度は39度前後、時間は最低でも5分程度で、肩までお湯につかる習慣をつけるようにしましょう。
 
半身浴では上半身が冷えてしまうため、できれば全身浴がおすすめです。
 
 

■靴下を効果的に使って冷え対策をしよう

 
寒さが厳しくなるにつれ「足の寒さが気になる」という方は、靴下の重ね履きなどで冷え対策をしましょう。
 
就寝時やリラックスタイム、外出のときなどシチュエーションにあわせて、靴下やルームシューズ、レッグウォーマーなどで対策するのがおすすめです。
 
あわせて、今回紹介した冷え対策を日常生活の中に取り入れながら、体が温まる生活習慣を身につけていきましょう。
 
 
【この記事の監修者】
医師・木村眞樹子
医師・木村眞樹子
東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院循環器内科入局。現在も東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、嘱託産業医として企業の健康経営にも携わっている。
※この記事は、正しい情報発信を行うために、医師に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません
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