くしゃみをしたら尿もれ…。これって私だけ?尿もれの原因・予防対策
30代以降になると、実は多くの方が多かれ少なかれ尿もれを経験しています。なんとなく人には言いにくい話題ですが、尿もれの心配があると外出時に憂鬱さや不安を感じてしまいますよね。そこで今回は、尿もれの原因や予防対策・もしもの時のための尿もれ対策についてご紹介します。
尿もれ経験の有無
グンゼがTwitterで女性を対象に行った尿もれ経験の有無に関するアンケートによると、YESと答えた方が66.5%、NOと答えた方が33.5%となりました。YESと答えた方が全体の約7割となり、多くの方が尿もれを経験していることがわかりました。
尿もれとは?
尿もれと一口にいっても、実はさまざまなタイプがあります。
・腹圧性尿失禁
重い荷物を持ち上げる・椅子から立ち上がる・大声で笑う・咳やくしゃみをする……などといった動作でおなかに力が入ったときに尿がもれてしまうのが、腹圧性尿失禁です。大量にもれることはほとんどなく、チョロっと出てしまうのが特徴です。尿もれに悩んでいる人の多くがこのタイプで、女性の4割を超える方が腹圧性尿失禁の症状を自覚しているとのデータもあります。
・切迫性尿失禁
簡単に言うと、尿を我慢できずにもらしてしまうのが切迫性尿失禁です。本来、膀胱は広がることで尿をため、縮むことで尿を出しています。これらの働きは脳からの指令でコントロールされています。しかし、何らかの原因で脳からの指令がうまくいかなくなると、膀胱がいわば暴走状態になり、我慢できずにもらしてしまうのです。
・溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
尿を排出する機能に問題が生じて尿が出しにくくなり、残尿がだらだらと溢れてしまうのがこのタイプです。男性の場合は前立腺、女性の場合は子宮などの疾患が原因で起きることが多いとされています。このタイプの尿もれは放っておくと尿路感染症などの心配もありますので、早めに医療機関に相談したほうが良いでしょう。
・機能性尿失禁
排尿機能そのものには問題はないものの、身体運動機能の低下や精神機能の低下によってトイレに行くことができずに起きるのが機能性尿失禁です。歩行が困難な方や認知症の方などに多く起きる症状です。
尿もれ(腹圧性尿失禁)の原因は?
尿もれの原因は、尿もれの種類によって異なります。ここでは、尿もれを感じている方の多くが該当する腹圧性尿失禁の原因をご紹介します。
腹圧性尿失禁の原因は、骨盤底筋のゆるみが原因
腹圧性尿失禁は、尿の通り道である尿道を支えている筋肉(骨盤底筋)がゆるむことが原因で生じます。骨盤底筋が尿道をしっかり支えていれば腹圧がかかって尿もれは起きませんが、骨盤底筋がゆるむと腹圧が十分にかからなくなり、尿もれを起こしてしまうのです。
骨盤底筋がゆるむ原因
骨盤底筋は以下のような要因によってゆるんでしまうと考えられます。
・妊娠出産
・肥満
・加齢
・更年期のホルモン低下
・運動不足
・筋力不足
尿もれの予防には骨盤底筋を鍛えよう!骨盤底筋の体操
さまざまな原因でゆるんでしまう骨盤底筋ですが、自宅で簡単に実践できる「骨盤底筋体操」を行うことで、ゆるみを改善できます。尿もれの改善・予防のためにも、ぜひ骨盤底筋体操にチャレンジしてみてください。ここでは、「寝ながら行う体操」「座って行う体操」の2種類をご紹介します。
寝ながら行う場合
① 仰向けに寝ます
② 足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げます
③ その姿勢のまま、肛門と尿道・膣をぐっと締めます
④ 5秒程度キープしてから体の力を抜きます
この「締める」「ゆるめる」の動きを1分間×10セット行いましょう。
椅子に座って行う場合
① 椅子に深く腰掛け、両手をおなかにおく
② この姿勢のまま、肛門と尿道・膣全体をぐっと締めます
③ 5秒程度キープしてから力を抜きます
この「締める」「ゆるめる」の動きを1分間×10セット行いましょう。
寝る前や、テレビを見ている時など、少しの時間で簡単に行えますので、是非少しずつ続けてみてください。
骨盤底筋体操とあわせて実践!日常で取り入れたい尿もれ対策
骨盤底筋体操の他、以下のような対策が尿もれ予防につながります。骨盤底筋体操とあわせて、日常の中に取り入れてみましょう。
骨盤底筋を締めるクセをつける
尿もれは、椅子から立ち上がったり、くしゃみやせきをしたりする際に発生しやすくなります。椅子から立ち上がる・くしゃみやせきをするなど、腹圧がかかる前に骨盤底筋を締めるように意識してみてください。それだけで、腹圧による尿もれを予防することができます。
膀胱を刺激しやすい食事を控える
唐辛子やワサビなどの辛味が強いもの、レモンやグレープフルーツ・酢などの酸味が強いものは膀胱を刺激しやすい食べ物です。摂りすぎには注意しましょう。また、利尿作用のあるカフェインを多く含む飲み物の摂りすぎにも要注意です。尿もれが気になる方は、コーヒー・緑茶などはなるべく控えた方が良いでしょう。
規則正しい生活を送り、自律神経の乱れを防ぐ
尿もれは自律神経の乱れによっても引き起こされます。不規則な生活習慣で自律神経が乱れると、尿もれしやすくなる恐れがあります。なるべく規則正しい生活を心がけ、自律神経が乱れないように注意してみてください。
膀胱を締め付けない・体を冷やさない服装を
おなかを締め付けるような服装は膀胱への刺激につながります。ウエストのきついスカート、小さくてきつい下着などはなるべく控えた方が良いでしょう。また、体が冷えると尿意を催しやすくなります。季節に関わらず、体を冷やしすぎない服装を意識してみてください。
もしもの時も安心!尿もれ対応のアイテムで快適な日常を
骨盤底筋体操や尿もれ対策を実践しても、すぐに効果が出るというわけではありません。すでに尿もれにお悩みの方は、骨盤底筋体操や尿もれ対策とあわせて、尿もれ対応のアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか?ここでは、アイテムごとの特徴やおすすめのアイテムについてご紹介します。
生理用ナプキン・パンティライナー(おりものシート)は使える?
尿もれが気になるときの対策として、女性ならまず思いつくのは生理用のナプキンやおりものシートの使用かもしれません。ですが、これらの使用はあまりおすすめできません。
というのも、生理の経血やおりものと、尿は成分も粘度も異なります。生理用ナプキンやおりものシートで尿を吸収すると、尿の水分がナプキンの表面に残ってベタベタしてしまいます。
吸水パッドや尿もれ用吸水ナプキンは?
吸水パッドや尿もれ用吸水ナプキンは、その名の通り尿もれのために作られたものです。生理用ナプキンやおりものシートとは異なり、水分の多い尿をしっかり吸収して閉じ込める仕様になっています。また、消臭効果が高い製品も多いため、ニオイが気にならないのも良いところです。
しかし、装着しているとヨレやズレにより尿がショーツやアウターまでしみだしてしまうのが気になるという方も多く、外出先だと悩みますよね。また、生理用ナプキンによるかゆみやかぶれが出やすい方は、吸水パッドや吸水ナプキンでも同様の違和感を覚えるかと思います。このほか、使い捨てなので頻繁に使うとゴミも増え、費用がかさむというデメリットもあります。
尿もれ対応の「吸水ナプキン対応ショーツ」や「吸水ショーツ」がおすすめ
【吸水ナプキン対応ショーツ】
吸水ナプキンを使っていても、尿がショーツやアウターまでしみだしてしまうのが心配だという方におすすめなのが、「吸水ナプキン対応ショーツ」です。なるべくナプキンを使ってショーツを汚したくない方におすすめです。
吸水ナプキンを使用する事を前提に、尿がアウターまでしみださないように工夫されています。消臭加工付のものも多いので、気になるニオイも抑える事ができます。
・SELFEAR(セルフェア)【吸水パッド用】レギュラーショーツ<CI4070B>
マチを2重にし、肌側は水分を吸水する素材・外側は撥水加工の素材の為、もしもの時しみだしにくくなっています。
また縫い目が全くない仕様のショーツで、縫い目による肌への刺激を軽減します。おしりの段差もひびきにくく、すっきりとしたヒップラインも嬉しいポイント。
23cmの吸水ナプキン対応で、微量から少量の尿モレが気になる方におすすめです。
シンプルなエイジレスデザインで、日常的に使いやすいショーツです。
・SELFEAR(セルフェア)【吸水パッド用】レギュラーショーツ<CI4062B>
前述のショーツからマチ部分が長くなった、少量~中量 30㎝吸水ナプキン対応の形違いのショーツです。吸水ナプキンのサイズによって選べます。
【吸水ショーツ】
吸水ナプキンの使用感が苦手など、なるべく吸水ナプキンを使いたくない方におすすめなのが吸水ショーツです。
尿もれ対応の吸水ショーツはマチ部分の吸水布が尿を吸水し、防水加工で外にしみだすのを軽減します。
外から見ると普通のショーツですが、吸水力があり軽度の失禁に対応しています。
外出が長い日は吸水ナプキン専用ショーツ・外出の無い日等は一枚で穿ける吸水ショーツを利用するなどで、ナプキンの使用を減らす事が可能です。
・【cherish moon】吸水サニタリー(50mlタイプ)<TC6862>
締め付けの少ない吸水型サニタリーショーツです。
サニタリーショーツですが、そのまま50mlの吸水力があり、ショーツとして着用して尿モレ対策として使用可能です。伸びの良い切りっぱなしレースで、お腹周りやそけい部(鼠径部)の縫い目による締め付けが少ないのも嬉しいポイントです。
まとめ
30代以降になると多くの方が尿もれを経験しています。予防対策として骨盤底筋を鍛える体操などをしつつ、もしもの場合にそなえて尿もれ対策用の吸水ショーツを持っておくと安心ですね。
ただし、尿もれには治療が必要なケースもあります。気になる方は一度医療機関に相談しましょう。