【医師監修】産後のお腹を引き締めたい!へこまない原因と引き締め方法を解説
産後のぽっこりお腹がなかなか元に戻らず、いつ戻るのか不安に感じている方は少なくありません。
産後は赤ちゃんの世話に追われて時間の余裕がないため、ぽっこり出たお腹が気になっていても対策ができない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、気になる産後のぽっこりお腹の原因や、お腹を引き締める方法を詳しく解説しています。
「産後のお腹が気になる……」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■産後のお腹のたるみの原因は?
そもそも、産後のお腹のたるみはなにが原因で起こるのでしょうか?
まずは、産後のぽっこりお腹の原因や、いつ元に戻るのかについて解説します。
原因1. 出産直後は「リラキシン」が出続けている
妊娠すると出産準備のために、筋肉や関節を緩める女性ホルモン「リラキシン」の分泌量が増えていきます。
出産後は2、3日から半年かけてリラキシンの分泌量が減り、緩んだ骨盤まわりの組織が徐々に元に戻っていきます。
ただし、リラキシンの分泌量が減っていく期間には個人差があるため、なかなかお腹が引き締まらなくても焦らず、気長に待つようにしましょう。
原因2. 妊娠と出産の影響で骨盤まわりの組織が緩んでいる
出産後も、骨盤、背骨、股関節周囲の組織は緩んだ状態がしばらく続きます。
それに加え、妊娠中に赤ちゃんの成長とともにお腹の皮膚が引き伸ばされ、出産した後も皮膚が元に戻るのには時間がかかります。伸びきった皮膚は、完全に元の状態に戻らないことも多いです。
さらに、出産で広がった骨盤を支える筋肉も弱っているため、姿勢が悪くなるとお腹がぽっこり出てしまいます。
出産後は、緩んだ筋肉を引き締めると、妊娠前の体型に戻しやすくなります。
原因3. 妊娠中に腹筋が減少して姿勢不良になっている
妊娠中は動きづらくなるため、運動不足になりがちです。
さらに、子宮が大きくなるとともにお腹まわりの筋肉も引き伸ばされて力が入りにくくなるため、腹筋の筋力低下につながります。
腹筋が弱くなると、座った姿勢や立ち姿勢が腹筋を使わない不良姿勢になりがちです。
出産後に腹筋の筋力が低下したままでいると、正しい姿勢が取れず、お腹のぽっこりした状態が続くことになります。
■産後のお腹のたるみはいつ戻るの?
お腹のたるみが戻るのには半年~1年ほどかかります。
妊娠によるお腹の皮膚のたるみは、完全に元に戻すことは難しいですが、ぽっこりお腹を引き締めることは可能です。
産後のお腹がいつ元に戻るのかは個人差がありますが、おおよそ半年~1年程度かかります。
妊娠で大きくなった子宮は1カ月程度で元の大きさに戻りますが、妊娠中に体に蓄えられた脂肪はすぐには減少しません。
また、説明してきたように、骨盤まわりの組織の緩みや、妊娠によって伸ばされた皮膚が、ある程度元に戻るのには時間がかかるためです。
ただし、ぽっこりお腹がなにもせずに、必ず元に戻るわけではありません。
出産後は緩んだ筋力を鍛えたり、適度な運動をしたりして、体型を元に戻そうという意識が大切です。
なお、妊娠による体型の変化は自然なことであり、産後の自分の体型にショックを受ける必要はありません。無理をせず、ゆっくりと、妊娠前の体型に「近づいていく」という意識で、日々の生活にストレッチや筋トレ、運動を取り入れてみてください。
■産後のお腹のたるみを引き締めるポイント
それでは、産後のぽっこりお腹を引き締めるためには、どうすればいいのでしようか?
ここでは、産後のお腹を引き締めるポイントについて解説します。
ポイント1. 体幹やインナーマッスルを鍛える
出産後は、妊娠で腹筋の筋力が落ちているうえに、運動不足で体幹部の筋肉も落ちているため、インナーマッスルを鍛えることが大切です。
インナーマッスルは体を内側から支えるほか、関節の動きをサポートするので、出産後に崩れた姿勢を元に戻すためにも積極的に鍛えましょう。
インナーマッスルを鍛えるには、ヨガやピラティスなどがおすすめです。
ポイント2. 正しい姿勢を意識する
ゆがんだ骨盤を元に戻すことも、出産後のケアでは大切なポイントです。妊娠中や産後はさまざまな要因で姿勢が悪くなりやすいです。
姿勢が悪くなると内臓の位置も下がり、下腹のお腹ぽっこりの原因になります。
普段から正しい姿勢を意識し、体操やストレッチを産後から積極的に取り入れるほか、腰痛や股関節痛がある方は骨盤ベルトを試してみるのもおすすめです。
■産後のお腹のたるみを引き締める方法
産後のぽっこりお腹は、普段の生活で意識をするだけで、手軽に引き締めることが可能です。
お腹を引き締める具体的な方法をいくつか紹介しますので、ぜひ試してみてください。
方法1. 授乳時の姿勢を意識する
授乳時に姿勢が崩れがちになるため、授乳時の姿勢に気を付けましょう。
授乳時におすすめなのは「あぐら姿勢」です。
あぐらで座ることによって、骨盤の高さが左右対称になります。
また、授乳時は腹筋に力を入れて姿勢を整えるようにしてください。面倒でも授乳クッションを使用して、首をまっすぐに伸ばし、肩の力を抜いてリラックスすることも大切です。
授乳時に少し意識するだけで、美しい姿勢で座ることができます。
・授乳におすすめ!マタニティブラジャー&ブラキャミ
グンゼの「マタニティブラジャー」と「ブラキャミ」は、胸を全て出さなくても授乳できる二重設計。
敏感になりがちな出産後の肌のために、肌側は縫い目のない接着仕様です。
また、赤ちゃんのほっぺが当たる部分には、ゴムや付属品をなくしたデザインを採用しており、お母さんにも赤ちゃんにも寄り添うインナーです。
方法2. 立つときは腹筋を意識する
立つときに、常に腹筋を意識する方法もおすすめです。
腹筋を意識して立ったり座ったりするだけで、手軽に腹筋を鍛えてお腹を引き締めることができます。
背筋が床に対して垂直になるように座り、そのまま姿勢を崩すことなく腹筋に力を入れて、立ち上がるようにしましょう。
方法3. 筋トレやストレッチをする
産後にお腹を引き締めるには、筋トレやストレッチもおすすめです。
激しい運動をしなくても、腹筋や背筋を意識して動かすことで、お腹を引き締めることができます。
仰向けに寝そべって膝を立て、頭を浮かせて背骨を少しずつ持ち上げるエクササイズもおすすめです。
ただし、上体を腹筋の力だけで起こすような激しい運動は、体が回復するまではやめておきましょう。
方法4. 栄養バランスの良い食事をする
産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、インスタント食品や市販のお弁当に頼ったり、お菓子を食べすぎてしまったりといった食生活になりがちです。
そのようなバランスの悪い食事を続けていると、お腹を引き締めるどころか体重が増加し、元に戻りにくくなってしまいます。
栄養バランスの優れた食事は体の回復を早めるだけでなく、体力の回復にもつながります。
特に授乳中は母乳の成分にも影響があるため、栄養バランスには十分注意しましょう。
方法5. やさしくお腹をおさえるタイプのショーツを着用する
産後のぽっこりお腹が気になる方は、やさしくお腹をおさえるタイプのショーツの着用もおすすめです。
後述しますが、産後は強く締め付けるショーツではなく、あくまで弱めのタイプから試してみましょう。
お腹をおさえるタイプのショーツを着用することで、自然とお腹を意識することができ、シルエットも整えることができます。
※こちらで紹介する商品は産後専用の商品ではございません。
グンゼの「【お腹おさえ】レギュラーショーツ」は、お腹をおさえる部分に縫い目がないため、ぎゅっと締め付けるのではなく、やさしく包み込みます。
こちらの「ロングソフトガードル」も、完全無縫製によってお腹とお尻をやさしく補整する下着です。マチがあるので一枚ではくことができます。
特にお出かけのときにぽっこりお腹が気になる方は、縫い目がなく、お腹をおさえるウエストシェイパー(下記)のようなアイテムを着用すると良いでしょう。
方法6. ウエストすっきり機能のあるショーツを着用する
少し強めの着圧があるタイプのものですと、ウエストがすっきりみえる効果が期待できます。
ただし、ガードル着用時に「締め付けが強すぎる」と感じた場合は無理をせず、前述のやさしくお腹をおさえるタイプのものから試してみましょう。
グンゼの「ヒップシェイパー」は、裏マチ付で1枚履きが可能なガードルです。
ヒップ下にパワー帯をつけて立体的なシルエットを作ることにより、ヒップアップをサポートします。
※こちらで紹介した商品は産後専用の商品ではございません。
■産後のお腹のたるみを引き締める際の注意点
産後は「すぐにでもお腹を引き締めたい」と考えがちですが、産後すぐに運動などを始めるのはおすすめできません。
ここでは、産後のお腹を引き締める際の注意点について解説します。
注意点1. 産後すぐに激しい運動はしない
産後のぽっこりお腹が気になるからと、産後すぐにジョギングなどの体が激しくゆれる運動、あるいは腹筋など強い腹圧がかかる運動を始めるのはおすすめできません。
目安としては産後1カ月健診以降、体調が問題なければ再開するようにしましょう。前述したエクササイズなどの運動からスタートするのがおすすめです。
妊娠・出産により、女性の体は想像以上に大きなダメージを受けています。
産後はできるだけ体を休めて、まずはダメージの回復に努めるべき時期です。
焦らずに、体が回復してから運動を始めましょう。
注意点2. 無理なダイエットや食事制限をしない
出産直後には、無理なダイエットや食事制限はしないようにしてください。
産後から6~8週間は「産褥期」と呼ばれていて、体調が変化しやすい時期です。
そのため、この時期にダイエットを始めてしまうと、体調に影響が出る可能性があります。
また、授乳中は母乳を作るためにいつも以上に栄養が必要となるため、は過度なダイエットや食事制限はせず、しっかりと栄養をとりましょう。
注意点3. お腹を強く締め付ける衣服を着ない
産後1カ月程度は、お腹を強く締め付ける衣服は着ないようにしましょう。
お腹を締め付けると、背骨と子宮の間にある大きな血管を圧迫し、具合が悪くなりやすくなります。
また、締め付けすぎると膀胱が圧迫され、尿もれの原因にもなりやすくなります。
妊娠中だけでなく、産後も1カ月程度はゆったりとした服を着るように心がけましょう。
■まとめ:産後のお腹のたるみは焦らずに引き締めよう
産後のぽっこりお腹が気になっても、産後すぐにダイエットやトレーニングをするのはやめましょう。
産後は体がダメージを受けているため、特に静養が必要な産褥期は、ゆっくりと体を休めてください。
産後1カ月以降、体調が回復してきたと感じたら、軽い運動から始めてみましょう。
お腹のぽっこりを引き締めるなら、インナーマッスルを鍛えるトレーニングやストレッチ、ヨガ、有酸素運動がおすすめです。
バランスの良い食事をできるだけとり、無理のない範囲でさまざまなトレーニングを試してみてください。
【この記事の監修者】
医師:島袋 朋乃(しまぶくろ ともの)
日本産科婦人科学会専門医・日本医師会認定産業医・日本産科婦人科内視鏡学会・日本生殖医学会所属。
平成28年旭川医科大学医学部を卒業後、函館五稜郭病院、釧路赤十字病院などでの勤務を経て、総合病院やクリニックで産科・婦人科・生殖医療に携わっている。
平成28年旭川医科大学医学部を卒業後、函館五稜郭病院、釧路赤十字病院などでの勤務を経て、総合病院やクリニックで産科・婦人科・生殖医療に携わっている。
※この記事は、正しい情報発信を行うために、医師に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません
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