【産婦人科医監修】おすすめのマタニティブラジャーと選び方

妊娠中は、ホルモンの影響で乳腺が発達し、バストが大きく敏感になっていきます。
そのため、今までと同じ下着を身に着けていると、締め付けられて気分が悪くなったり擦れて不快に感じたりすることが少なくありません。
そこでこの記事では、マタニティブラジャーの種類と選び方、そしてグンゼおすすめのマタニティブラジャーを紹介します。快適なマタニティライフを過ごすために、ぜひ参考にしてください。
■知っておきたい!妊娠から出産までのバスト変化

妊娠すると、赤ちゃんの成長に伴ってバストも徐々に大きくなっていきます。妊娠から出産まで、マタニティ期に起きるバストの変化を知っておきましょう。
・2カップほど大きく、産後1年ほどかけて元の大きさに戻る
妊娠2カ月頃から、乳腺組織の発達によってバストが徐々に膨らんでいきます。個人差はありますが、妊娠4カ月頃で1カップほど、出産直前には妊娠前に比べて2カップほど大きくなることもあります。
サイズアップのピークは、母乳をたっぷりと蓄えた出産直後。その後1年ほどかけて元の大きさに戻っていきます。
・乳首や乳輪の色が黒くなる
妊娠中はホルモンバランスの影響によってメラニン色素が増え、色素が沈着しやすくなります。
乳首だけではなく、乳輪の周りも色が濃くなるため「乳輪が大きくなってしまった」と悩むママも少なくありません。出産や授乳が終われば、自然に薄くなっていきます。
・わきの下にしこり(副乳)ができることも
「妊娠中わきの下などに小さな乳首のようなしこりができて不安になった」というママも。これは副乳という通常の乳房とは異なる場所にある乳腺組織です。
副乳は生まれつきみられるもので、左右両側にある方、大きさもさまざまで黒子(ほくろ)と区別がつかないようなものから、年齢とともに乳腺組織が発達し乳房として大きく膨らんでくるものもあります。妊娠によってホルモンの分泌が活発になると、副乳が目立つようになり母乳が出ることもあります。
妊娠前に目立たなかった場合は授乳が終われば目立たなくなることがほとんどです。副乳が腫れたり痛みを感じたりする場合は、医師に相談しましょう。
■マタニティブラジャーの種類

一言でマタニティブラといっても、その種類はさまざま。ワイヤータイプからノンワイヤー、ハーフトップまで、代表的なマタニティブラ・インナーをご紹介します。
・種類1. マタニティブラの代表的存在「ノンワイヤーブラ」
初めてのマタニティブラには、産前産後使えるノンワイヤータイプがおすすめです。乳腺やアンダーを押さえつけることなく、やさしく体を包み込みます。
縫い目のない伸縮性に富んだものや、授乳のしやすさにこだわった商品も続々登場しています。ママの「こんなの欲しかった」が、きっと見つかるはずです。
・種類2. バストをやさしく包み込む「ハーフトップ」
マタニティブラの中でも、特にゆったりとした着けごこちが特徴です。バストをふんわりと包み込むハーフトップは、つわりが酷いときや締め付け感が辛いときにおすすめです。
・種類3. おしゃれなデザインが豊富な「ワイヤーブラ」
マタニティブラといえば、ノンワイヤーが主流ですが、実はワイヤー入りの商品もあります。
マタニティ専用のやわらかいワイヤーを使用したものや、ワイヤーが肌に当たらないように設計されたものなどメーカーの工夫が光るワイヤーブラ。
妊娠中もおしゃれなブラを身に着けたい方、安定感のあるマタニティブラをお探しの方におすすめです。
・種類4. 授乳のしやすい「前あきブラ」
前ボタンを外すと左右に開閉できる「前あきブラ」は、産後の授乳のしやすさが魅力的です。
授乳時にカップ部分が赤ちゃんの顔に触れないというメリットがある一方で、胸全体が見えてしまうというデメリットもあります。授乳時には個室を選ぶなど、プライバシーの確保を忘れずにしてください。
・種類5. 体全体をやさしく包み込む「ブラキャミソール」
赤ちゃんの命が宿るお腹は、季節を問わず冷やさないことが大切です。
お腹をすっぽりと包み込む「ブラキャミソール」なら、バスト部分を支えながらお腹の冷え対策も一緒にできます。ブラとキャミソールの1枚2役で経済的といえます。
■グンゼおすすめのマタニティブラジャー
ここからは、「初めての妊娠で、どんな下着を選んだらいいのか分からない」とお悩みの方に向けて、グンゼがおすすめするマタニティブラジャーを紹介します。
肌へのやさしさ、授乳のしやすさ、かわいくおしゃれなデザインなど、先輩ママの「あったらいいな」が詰まったマタニティブラで快適な産前産後を過ごしませんか?
産前産後のバストをやさしく包み込むマタニティ専用のノンワイヤーブラが登場しました。敏感になりがちなカップ部分の肌面は、縫い目のない接着仕様に。凹凸を限りなく減らすことで、肌への摩擦を防ぎます。
胸をすべて出さなくても授乳できるプライバシー設計、ふたつにたためる折り曲げパッドなど授乳時に嬉しい機能も充実。ママと赤ちゃんの肌に触れるものだからこそ、生地の編立から生産まで国内一貫生産にこだわりました。
バスト部分とお腹をすっぽりと包み込むマタニティブラキャミは、包み込むような着用感とバスト部分の安定感が特徴的。敏感になりがちな肌をベールで包むように、生地には保湿加工を施しました。
胸の開きを気にせず授乳ができる胸当てや折りたたみパッドが、ママの快適な授乳をサポート。授乳や仮眠、家事などママの生活に寄り添うマタニティインナーです。
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■なぜ必要?マタニティブラジャーの効果

妊娠による体の変化を妨げないためにも、マタニティブラは有用です。
けれども、妊娠・出産は一時的なもの。ママからは「わざわざマタニティ専用の下着を買う必要があるの?」「マタニティブラはコスパが良くないのでは?」なんて本音も聞こえてきます。
しかし、マタニティブラには、サイズアップしたバストをカバーするほかにも、さまざまなメリットがあるのです。
・敏感になったバストをやさしく守る
ホルモンバランスの影響によって、皮膚が乾燥しバストに痒みやかぶれが生じることがあります。妊娠中のお肌は、ちょっとした刺激にも敏感になりがちに。だからこそ、刺激の少ない素材で作られたマタニティブラで、バストをやさしく包んであげることが大切なのです。
・つわりの気持ち悪さを軽減
妊娠初期に多くの妊婦さんが抱えるつわりの症状。早い方では妊娠5〜6週頃に始まり、胎盤機能が完成する妊娠15〜16週頃まで続くこともあります。
つわりを乗り切るコツの一つは、ゆったりとした服装で過ごすことです。一般的なワイヤーブラやきついインナーで体を締め付けていると、圧迫感で気持ち悪さが増してしまうこともあります。「つわりが辛い」と悩んでいる方は、ぜひ一度マタニティブラを試してみてください。
・産後はボリュームアップしたバストをサポート
マタニティブラが活躍するのは、出産前だけではありません。
特に出産直後は、母乳を蓄えた乳腺の影響でバストのボリュームも大幅にアップします。妊娠中だけではなく、出産後もバストの変化は続くものです。産前産後使えるタイプを選ぶと、妊娠初期から卒乳まで長く使えて経済的です。
医師からの一言コメント
妊娠後のバストは、ホルモンバランスの変化によって大きく成長します。そして産後、卒乳するまでその変化が続きます。
マタニティブラには、つわり期に辛い締め付けを軽減したり、乾燥や授乳によるかぶれなど、肌トラブルを抱える乳頭を保護したり、授乳しやすい機能があったりと、さまざまな工夫が施されています。
妊娠~産後の長い期間をサポートしてくれるマタニティブラを探してみてはいかがでしょうか。
■産前産後に使えるマタニティブラジャーの選び方

妊娠中の体をやさしくサポートしてくれるマタニティブラ。せっかく選ぶなら、産前産後長く使える快適な一着を選びたいものですよね。ここでは、ママの負担を軽減するマタニティブラの選び方を紹介します。
・選び方1. マタニティ専用のブラジャーから選ぶ
マタニティブラジャーには、以下のような種類があります。
・ノンワイヤーブラ
・ハーフトップ
・ワイヤーブラ
・前あきブラ
・ブラキャミソール
それぞれで素材や着ごこち・機能性などが異なるため、体の変化や好みと照らしあわせて、優先順位の高いものを選ぶと良いでしょう。
また、マタニティ専用以外のブラジャーをお探しの方は、こちらの記事でおすすめのアイテムを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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・選び方2. 授乳ブラとして使えるものを選ぶ
産前産後と長期に渡って使用するなら、授乳機能は欠かせません。
とはいえ、「胸全体を出すのは嫌」というママは多いはず。最近では、乳頭・乳輪部分のみを出して授乳できるカップ構造を採用したマタニティブラも登場しているので、ぜひ試してみてください。
・選び方3. 締め付けの少ないものを選ぶ
産前産後は体型の変化が著しいため、ストレッチ性に優れた素材を選ぶと安心です。特に、妊娠中はちょっとした締め付けも苦しく感じてしまいがちです。アンダー部分の締め付けの少ないノンワイヤータイプやブラキャミソールタイプなど、ご自身の体に合ったものを選びましょう。
・選び方4. 肌にやさしい綿混素材を選ぶ
産前産後は肌が敏感になりがちに。乾燥や痒みなど肌トラブルも生じやすいため、綿など肌触りのやさしいインナーを選ぶと良いでしょう。
洗濯表示などを記載したタグが肌に当たらないように工夫されたもの、保湿加工を生地に施した肌触りのやさしいものや吸汗性に優れたものがおすすめです。
・選び方5. 着ごこちの良いデザインのものを選ぶ

産前産後は気持ちが不安定になることも。そんなときこそ、着ごこちの良いマタニティブラを身に着けて、心を落ち着かせましょう。
また、やわらかなニュアンスカラーを採用したマタニティブラなら、ママの気持ちもパッと明るくなるはずですよ。
・選び方6. サイズ調整がしやすいものを選ぶ
例えば、4段4列のホックがついたマタニティブラジャーであれば、調整が可能なうえに安定感があります。
さらに、ストラップが幅広なものほど、妊娠で重くなったバストを支え、肩への負担を軽減できるでしょう。
また、バストの測定方法は妊娠前と変わりませんので、購入を検討している商品にM/L/LLといった表記がある場合、自身に合ったサイズを選べば問題ありません。
ただし、妊娠中期~後期になると、人によってはバストサイズが2カップほど大きくなる場合があります。妊娠初期にブラジャーを購入する場合には、妊娠前より1カップ上(アンダーバスト+5~7cm)のものを選ぶなど、サイズに余裕を持たせて選ぶことをおすすめします。
■マタニティブラジャーに関するよくある質問
初めての妊娠の場合、マタニティブラジャーをいつ頃から着用すべきかなど、分からないことがある方も多いでしょう。ここでは、マタニティブラジャーに関するよくある質問を紹介します。
・妊娠初期に胸が張って痛くなるのはなぜ?

妊娠初期には、胸が張る感じがしたり、乳首が敏感になることで下着に触れたときにチクチクとした痛みを感じたりすることがあります。
これは、妊娠したときから女性ホルモンの働きが活発になることが影響しています。乳腺組織の発達や皮膚の感覚が敏感になることで、このような症状を感じる方もいらっしゃいます。
痛みや張りが辛いと思うママも多いかもしれませんが、これも赤ちゃんを迎える準備が始まっている証拠です。軽度の張りや痛みであれば、心配ありません。症状が重い場合は無理をせず医師に相談しましょう。
・いつからマタニティブラジャーに切り替えるべき?

妊娠が判明したら、早めにマタニティブラに切り替えましょう。
妊娠初期からホルモンの働きは活発化し、バストの変化が始まります。妊娠中は、たった数週間でサイズが変わることもあり、特にアンダー部分の締め付けは、つわりの吐き気の症状を悪化させる原因になることもあります。
また、きつい下着を使い続けていると乳腺の発達を妨げてしまう可能性もあります。そのため、吐き気や胃のむかつきが現れる妊娠2カ月目頃から、マタニティブラに切り替えることをおすすめします。
なお、マタニティブラジャーから通常のブラジャーに戻すタイミングは、卒乳の時期にあわせると良いでしょう。
・マタニティブラジャーは何着用意する?

マタニティブラを何着用意するかは、ママのライフスタイルや家庭の洗濯の頻度によっても異なります。もちろん、妊娠初期から卒乳までの期間限定の下着と考えるなら、一般的なブラジャーより枚数は少なめでも構いません。
しかし、出産後にいざ授乳をはじめてみると、人によっては母乳の量が多かったり、授乳中に赤ちゃんが吐き出してしまったりと、さまざまな理由で交換する機会が増える可能性があります。
購入枚数を迷っている方は、ひとまず3~4枚準備しておき、必要に応じて買い足していくと良いでしょう。
■妊娠が分かったらマタニティブラジャーに切り替えましょう

妊娠後は体型が変化するだけでなく、ちょっとした刺激にも敏感になりやすいため、できるだけ早めにマタニティブラジャーに切り替えることが大切です。
マタニティブラジャーにはさまざまな種類があるので、着ごこちや機能性など、優先順位にあわせて使いやすいアイテムを選びましょう。
産前産後を快適に過ごすためにも、あなたにあったマタニティブラジャーを探してみてはいかがでしょうか。
医師からの一言コメント
妊娠中は、バストの変化以外にも、つわりの症状・便秘・肌荒れ・腰痛・むくみなど、さまざまなマイナートラブルに悩まされることが少なくありません。
下着は日々使用するものですから、自身に合ったマタニティブラを探して、できる限り心地よく日々を過ごす工夫をしてみましょう。変化する自身の体に合ったものを選んで、妊娠~卒乳まで、バストも労わってみてください。

保有資格:日本産婦人科学会 専門医・日本女性心身医学会 認定更年期指導士
2018年に北海道大学医学部を卒業。同年4月より2年間、石巻赤十字病院で初期研修にあたる。その後、東北大学病院産婦人科医局に所属し、仙台市内の各病院で勤務しながら、2023年に産婦人科専門医を取得。今後は、生殖医療、女性医学の分野に進みたいと考えている。
※この記事は、正しい情報発信を行うために、医師に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません