【医師監修】 お腹弱い男性が多いってほんと?みんなどんな対策をしているの?
「男性は女性よりもお腹が弱い」そんなイメージはありませんか?実際にアンケートをとってみると、お腹が弱いと自覚している男性は回答者のうち7割を近くに及びました。お腹が弱い男性は普段どのような対策をとっているのでしょうか。合わせて、男性がお腹を下しやすい原因や対策についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
監修者:齋藤幹医師
■【アンケート】「お腹が弱い体質」だと感じますか?
質問1:お腹が弱い体質ですか?
アンケートによると、およそ7割の男性が自分はお腹が弱い体質だと答えています。この数字から「お腹が弱い自覚がある男性はかなり多い」ということが分かりますね。
質問2:どんな時にお腹が弱いと感じますか?
最も多いのは「食べ過ぎた時」次いで「冷えた時」「ストレスを感じた時」「辛いものを食べた時」となりました。食べ過ぎてしまう・体が冷える・ストレスを感じる・辛いものを食べるなどは毎日の中でわりとよくあることなので、お腹の弱さを感じる機会が多いのも頷けます。
質問3:お腹が弱いことでピンチになったエピソードがあれば教えてください。
突然の腹痛でピンチになった時のエピソードを募集したところ、こんなにたくさんのエピソードが集まりました。
【子どもの頃のエピソード】
・小学生のころ、学校の帰りにお腹がいたくなってピンチになったときは石を握って帰ったら漏れないと習って信じてやっていた。
・小学生の頃、風が前から吹いているとお腹が痛くなるので後ろ歩きをしていた。
【電車の中のエピソード】
・トイレの為の途中下車をよくしてしまい、遅刻は多いです。
・区間が長い電車に乗ってトイレになかなか行けなくなった時。
・電車乗車時に急に人身事故で駅間で、電車が停まってしまい、急にもよおして、目的地手前の駅で途中下車してトイレに駆け込んだ経験があります。
・大飲酒翌日出勤時の満員電車で、お腹が痛くなり痛みを緩和させるため、すかしっ屁をしたらわずかに実もでた。瞬間的に気付いたので被害は最小限にとどまったがピンチというより事故だ。
【トイレが見つからないエピソード】
・早朝のランニング中に、お腹が痛くなり、まわりにトイレがなかなかない中いろいろ探して、墓地のトイレへ何とかたどり着くことができた。
【ここに書くのを控えたくなるエピソード】
・ピンチの先になるので詳しくは書けませんが、やっぱり急激に冷やすのはよくないと思います。ピンチで済んでいる場合はまだ大丈夫です。これを書いているうちにまたぐるぐるしてきました。
・バリウムの後の下剤を規定量飲むと大変なことになる。
トイレに行けないシチュエーションとして電車でのピンチエピソードが多いようです。
「思い出すだけでぐるぐるしてくる」といったお腹弱いエピソードをたくさんお持ちの方もいて、あるあるは語りつくせない様子でした。
小学生のエピソードを書く方もいて、お腹弱い体質との付き合いは長いことが伺えます。皆さんの中にも「それやったことある!!」という方がいるかもしれませんね。
■男性にお腹が弱い人が多い?お医者さんに聞いてみました
「女性より男性のほうがお腹が弱い」というイメージを持っている方が多いかもしれません。筆者の子どもに小学生の女の子と男の子がいますが、男の子は緊張する日は何度もトイレに行き、なかなか登校できないときもあります。女の子にはそんなことはありません。実際はどうなのでしょうか。医師の方に聞いてみました。
【医師からの一言コメント】
男性のほうが女性よりお腹が弱いというデータはありませんが、実は、男性のほうがストレスに弱く、ストレスと密接に関係している腸に影響がある可能性があります。
また、男性に限らず女性も含め、お腹が弱い方は以下のような生活習慣や食習慣が要因となっていると考えられるでしょう。男性のほうが該当する項目が多い傾向がありますので、そういった意味で男性はお腹を下しやすいとは言えるかもしれませんね。
●ストレス
ストレスと腸は密接な関係があるとされているのをご存知でしょうか?「仕事が忙しい」「人間関係で疲れている」「家庭のことで悩みがある」など、慢性的なストレスがあると、その影響が腸に現れてお腹を下しやすくなる可能性があるのです。
一般的に、男性は女性よりもストレスに弱いと言われています。しかし、厚生労働省の「平成22年国民生活基礎調査の概要」では、悩みやストレスを抱えている人を性別にみた場合、男性42.4%、女性は50.3%となっています。つまり、女性のほうがストレスには弱いことが分かっています。ただし、平成30年の自殺者数を見ると、男女比率7:3で男性が多いのです。これは男性のほうが周囲に悩みを相談できずに抱え込んでしまい、最終的にストレスに負けて自殺してしまうということが要因としてあります。
女性の場合は、ストレスを感じても、抗ストレスホルモン「オキシトシン」の働きでそのストレスを緩和しやすいという可能性が考えられます。オキシトシンは「愛情ホルモン」「幸せホルモン」などとも呼ばれており、子どもを出産することで分泌が盛んになります。
●脂っこいものを好む
揚げ物やジャンクフード・肉類といった脂っこい食べ物は、消化吸収時に腸に負担をかけます。こういった食べ物を好む方は、食の好みがお腹を下しやすくなる原因になっていると考えられます。
●冷たい飲み物・食べ物を好む
冷たい飲み物や食べ物もまた、腸に負担をかけ、さらに内臓を内側から冷やしてしまいます。冷えたビールや炭酸飲料やアイスといった冷たいものを好む男性も、お腹を下しやすくなると考えられます。
●早食い
早食いの方は往々にしてよく噛まないで食べていることが多いので、体内に入った食べ物の消化がうまくできず、腸に大きな負担をかけてしまうことがあります。忙しく、ゆっくり食べる時間がないなどの生活習慣がお腹を下しやすくしている可能性があります。
●体の冷え
体が冷えると血流が低下し、腸の動きが低下しやすくなります。その結果、お腹を下しやすくなるのです。冷えというと女性特有の症状というイメージがあるかもしれませんが、男性でも気付かないうちに体が冷えている方は多くいます。
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アンケ―トでもお腹が弱いと感じるシチュエーションで、「食べ過ぎた時」や「冷えた時」などが多い傾向にあったため上記の内容も納得できます。
トイレが無い電車内でピンチになるエピソードも、もしかしたらトイレに行けないという不安からくるものかもしれませんね。
【医師からの一言コメント】
お腹を下した状態が何日も続いている場合は、一度消化器内科の受診をおすすめします。大腸ガンや潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性膵炎などの疾患の可能性も考えられます。
■お腹を下しにくい体質を作るための生活改善
お腹の弱い男性は、日頃の生活で以下のことに留意しましょう。
●食習慣で意識すべきポイント
お腹が弱い・下しやすい原因は、日頃の食生活に起因している可能性があります。以下の点に気をつけて、栄養バランスの取れた、腸に負担をかけにくい食生活を心がけることが大切です。
・脂っこいものは控える
・冷たい飲み物・食べ物を取りすぎない
・早食いをせずにゆっくりよく噛んで食べるように意識する
●生活習慣で意識すべきポイント
お腹が弱い・下しやすい原因は、生活習慣とも関連性が深いと考えられます。以下のポイントに気をつけましょう。
・ストレスを溜めこまないよう、自分なりのストレスの発散方法を見つける
・ゆったりお風呂に入ってリラックス&体をしっかり温める
・急な冷えに対応するためにインナーを身に付ける
■お腹が弱いことへの対策、みんなはどうしてる?
「電車や駅のトイレの位置を把握している」という方が最も多く、6割近くにのぼっていますね。海外暮らしの方からは、「海外はとにかく無料で使えるトイレが少なくて、無料で綺麗なトイレマップを自分で作っていました。」と苦労したエピソードもいただきました。駅やコンビニ等無料で使えるトイレが多いのは当たり前ではないのですね。
一方、服装や薬などの対策は人によってさまざまだと分かりました。そこで、服装に関して工夫をしている方に詳しくお話を聞いてみました。
・冷えるとすぐに下してしまうAさん
夏もTシャツでもインナー着用を欠かせません。また、インナーを着る時は必ずパンツの中にインナーをINします。安心感もあり冷え対策ができる気がします。
パンツの中にインナーをIN!そのような方がどのくらいいるのかアンケートで聞いてみました。
Q肌着を着用する方法を教えてください。
アンケート結果を見ると、パンツの中に肌着をインする方は圧倒的に少数派でした。パンツの中に肌着をインすることでお腹が出てしまって冷えるのを防ぐのには有効ですが、みなさんそれはあまりしていない様子です。最も多かったのは、肌着をズボンにインするがパンツにはインしない方。この理由としては、「パンツの中に肌着をインするとごわごわする」「動きにくい」等の意見がありました。
▶肌着をパンツの中にインしてもゴワゴワしない方法って?おすすめのインナー
みなさんがおっしゃるように、パンツの中にインナーを入れるとゴワゴワしがち。そんなときは裾に縫い目の無いインナーを選ぶことをおすすめします。パンツの中にインナーを入れることで、お腹が出て冷えないようにするだけでなく、インナーがズボンからだらしなく出てしまうのも予防できます。
パンツにインナーを入れる派の方に聞くと、裾の縫い目のあるインナーよりも縫い目のないインナーにするとゴロゴロ・ゴワゴワ感が軽減されるため良いとのことです。写真で確認しても、裾に縫い目の無いインナーを着用したほうがおしり周りの凸凹が少ないですよね。
さらに、パンツも腰ゴムのないタイプのボクサーパンツを穿くことで、ズボンをはいた際ベルトとの重なりなどが気にならずスッキリと着用できるようです。
▶おすすめのインナー&ボクサーパンツはこちら
・寝る時には腹巻をつけて冷え対策をしています。
腹巻をしているとお腹の調子がいい気がするので、寝る時は腹巻を巻くようにしています
お腹が弱いと感じている男性に、寝る時に気を付けていることをたずねました。
内容はほどんとが冷え対策のものでした。
寝る時に腹巻をする人も少数派ですが、どのように着用するか聞いてみました。
腹巻は基本パジャマの上から着用しています。
肌触りの良い腹巻だったら、肌着感覚で肌に直接つけたりもしています。
▶寝る時におすすめの腹巻の付け方
①インナーとパンツを着用する
②腹巻を下から穿き、お腹周辺を覆うように着用する
③パジャマを着る
寝る時もパジャマの下にインナーを着て、腹巻を付けるのがおすすめです。
そうすることで、寝ている間にお腹がでてしまうことを防ぎ、冷え対策ができます。
年間着用する腹巻なら、綿混のものがおすすめです。
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【医師からの一言コメント】
お腹まわりを肌着や腹巻で覆うことは、急な冷えに対応するためにもおすすめです。安心感にもつながるのではないでしょうか。ぜひ食生活の改善と一緒に取り入れてみてください。
■まとめ
今回のアンケートで、多くの男性がお腹が弱い・下しやすいといったお悩みを持っていることが分かりました。お腹が弱いと、日常生活や仕事でも何かと不安になったり大変な思いをしてしまったりしますよね。しかし、今回ご紹介したように、お腹のトラブルは日頃の食生活や生活習慣に起因していることもあります。ぜひ改めてご自身の食生活や生活習慣を見直してみてください。あわせて、肌着の着用方法の工夫やお腹をあたたかく包む腹巻を活用してみてはいかがでしょうか。
【この記事の監修者】
さいとう内科・循環器クリニック 院長 齋藤幹
北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院、公立昭和病院などを経て、「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医。
URL : https://saito-heart.com/