2023.05.24

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【医師監修】冬でも注意!子供や赤ちゃんのあせも対策を解説

汗疹(あせも)とは、汗が正常に排出できなくなることで引き起こされる発疹です。
 
「夏に起こる肌トラブル」というイメージもありますが、子どもは冬でもあせもができることがあります。
 
あせもは、強いかゆみやチクチクとした熱感が生じるため、できれば子どもや赤ちゃんのあせもは避けたいと考える方も多いのではないでしょうか
 
そこでこの記事では、あせものメカニズムや特徴、日々の生活でできる子どもや赤ちゃんのあせも対策について紹介します。
 
あせもが悪化しないよう、事前に対策を行いましょう。
 
 
 

汗疹(あせも)ができるのはなぜ?

汗疹(あせも)ができるのはなぜ?
あせもの予防方法や対策について知る前に、まずはあせもができる原因を知ることも大切です。
 
ここでは、子どもや赤ちゃんにあせもができやすい理由と仕組みを解説します。

あせもができる仕組み

あせもは、汗疹(かんしん)の俗称です。
 
「汗」という漢字が使われていることから想像できるかと思いますが、あせもは汗が原因で生じる皮膚疾患の一つです。
 
子どもや赤ちゃんによくみられる症状ですが、大人でもかかることがあります。
 
人間の皮膚には、エクリン汗腺があり、暑いときはそこから汗を出して体温を調整しています。
 
この汗を洗い流したり拭いたりせずにそのまま放っておくと、汗腺がつまってまわりの皮膚を刺激したり炎症を起こしたりすることがあります。これが、あせもの正体です。
 
あせもは汗が原因であるがゆえに、汗のたまりやすいところにできやすいといえます。
 
例えば、首や関節の内側、衣類で覆われている胸や背中、衣類が重なるパンツのウエストの部分は注意が必要です。
 
また、「暑い室内で同じ姿勢で椅子に座り続けていたら、おしりに汗をかいてあせもができた」などといった声も聞きます。
 
夏場、あせもを防ぐためには、汗がたまりやすい服装や行動はできるだけ避けたほうがいいでしょう。

なぜ子どもや赤ちゃんはあせもができやすい?

大人も子どもも、汗の出口である「エクリン汗腺の数」は全身に300万~400万個ほどあり、実はその数に差はありません。
 
これはつまり、子どもの体のエクリン汗腺の密度は大人より高いということ。
 
また、子どものほうが一個一個の汗腺から分泌される汗の量も多いとされています。
 
このような理由から、子どもは汗をかきやすく、あせもができやすいのです。
 
また、汗をかきやすい高温多湿な日本の気候が、肌をジメジメした状態にするケースもあります。
 
こうした背景があるため、子どもをもつ日本のお母さんにとって、あせもが悩みの一つになってしまうのです。

子どもや赤ちゃんの皮膚は薄くて繊細

子どもや赤ちゃんの皮膚は、薄くて繊細かつ保護機能も未発達です。特に、赤ちゃんの皮膚は、大人の約半分の薄さしかなくデリケートです。
 
また、子どもは体が小さいにもかかわらず、汗腺の数が大人と変わりません。
 
そのため、体表面積あたりの汗腺数の密度が大人よりも高く、多くの汗をかくと汗管がつまりやすくなって、あせもができやすいのです。
 
あせもは、患部の通気性を保って清潔な状態にしていれば、自然治癒することがほとんどですが、強いかゆみが出るケースもあります。
 
より早く治癒させるためには、炎症やかゆみを緩和させる市販の外用薬を活用するか、皮膚科に相談しましょう。
 
 

子どもや赤ちゃんのあせもの特徴

子どもが汗をかきやすい首まわりや額、わきの下、背中、おしり、肘・膝などはあせもになりやすいため、普段から注意して観察する必要があります。
 
ここでは、子どもや赤ちゃんに発症しやすい、あせもの種類を紹介します。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)

紅色汗疹は、発赤やかゆみを伴った皮膚表皮の汗管がつまるタイプの汗疹です。
 
一般的な「あせも」は、紅色汗疹のことを指すケースが多いです。
 
直径2mm程度の発疹やチクチクとした違和感、かゆみなどの症状があらわれます。ジメジメした高温多湿の環境で汗を多くかいたときにできやすく、子どもや赤ちゃん、肥満体型の人などに多くみられます。
 
掻きすぎると悪化して湿疹になってしまったり、細菌が増殖して膿が発生したりすることもあるため注意が必要です。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

水晶様発疹は、皮膚の表層部分の汗管がつまることでできるあせもです。赤みはなく、小さな水ぶくれが生じます。 水ぶくれは、透明か白色でかゆみもあまりないため、気づかないケースもあります。
 
乳幼児の顔にできることの多いあせもですが、高熱が出たときなどに、ポツポツとした水ぶくれが大人にあらわれることもあります。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)

深在性汗疹は、真皮内で汗管がつまってできるあせものことです。紅色汗疹を何度も起こすと、皮膚に小さな盛り上がりがみられるようになり、深在性汗疹を発症します。
 
亜熱帯地方に多く、日本ではあまり事例がありません。
 
深在性汗疹が広範囲になると、汗による体温調整機能が低下して熱中症を起こすおそれがあります。
 
 

子どもや赤ちゃんのあせも対処法

子どもや赤ちゃんにできやすいあせもは、患部を清潔な状態で保っていれば自然治癒することがほとんどです。
 
しかし、患部に強いかゆみがでることもあるため、子どもが掻きむしらないように気を付ける必要があります。
 
ここでは、子どもや赤ちゃんのあせも対策を4つ紹介します。

肌を清潔にしてしっかり保湿する

あせもの原因は、汗管がつまることです。そのため、汗をかいたときに放置しないことが最も重要です。 こまめに汗を拭いたり、着替えたりすることはもちろん、早めに汗を洗い流しましょう。
 
また、洗い流したあとは、クリームやベビーローションなどで保湿してください。
 
赤ちゃんの皮膚は保護機能が未発達なため、肌をケアし、清潔に保ちましょう。

掻きむしらないようにする

あせもができるとかゆみを感じやすくなりますが、掻きむしると患部が悪化し細菌感染を起こすリスクがあります。
 
肌を掻かないことが大切ですが、赤ちゃんや子どもは、気づかないうちに掻きむしってしまうことが多いです。
 
そのため、掻いてしまっても傷が広がらないように、普段から爪を短く切ったり、手にミトンをつけたりするなど、肌へのダメージを軽減する工夫をしてあげてください。
 
また、かゆみが強いときは、患部を濡れタオルやタオルに包んだ保冷剤で冷やすと症状がやわらぐことがあります。

ワセリンやオロナインなど市販薬の使用には注意が必要

赤ちゃんの保湿剤として、ワセリンを使用している方は多いですが、あせも対策にワセリンを使用すると、汗腺の出口や毛穴がつまり、あせもが悪化してしまうことがあります。
 
また、オロナイン軟膏についても、湿疹になってしまったあせもに使用するとかえって症状が悪化する可能性があります。
 
そのため、あせも対策として、ワセリンやオロナインを使用するのはできるだけ避けましょう。
 
赤ちゃんや子どものあせもには、皮膚の保湿作用があり、皮膚の乾燥性症状を軽くするローションタイプの保湿剤を使用するのがおすすめです。

ホームケアで治らない場合は病院で診てもらう

ホームケアを続けてあせもが治ったものの、また同じ症状が出たり、症状がひどくなっていたりする場合は、アトピー性皮膚炎などほかの病気である可能性も考えられます。
 
かゆみがかなりひどく夜も眠れないといった場合は、ホームケアだけでは限界があるため、早めに小児科や皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。
 
 

子どもや赤ちゃんのために!普段からできる工夫

冬でも注意!子供のあせも。なぜできる?予防策は?の記事内画像4  
子どもや赤ちゃんは、少し動いただけでも汗でびっしょりになることがあります。
 
そのため、肌をケアしなければ、あせもなどの肌トラブルが発生するリスクが高まります。
 
ここでは、普段からできる工夫についてみていきましょう。

吸湿性の良い衣類を選ぶ

汗をかきやすい子どもや赤ちゃんの服は、綿100%など、通気性や吸汗吸湿性が良いものを選びましょう。
 
特に夏場は、ロンパースのように熱がこもりやすい服はできるだけ避けてください。
 
外出するときは袖なしの服よりも、汗を吸い取りやすく紫外線を防げる袖ありの服のほうが、肌への刺激を軽減できます。
 
例えば、グンゼの敏感肌用子供下着「アトネス」がおすすめです。
吸湿性の良い衣類を選ぶ
 
前述のとおり、あせもを防いだり軽減したりする効果的な方法は、かいた汗を速やかに取り除くこと。吸汗・吸湿性の良い、肌に優しいコットン肌着を選び、肌環境を清潔にすることが大切です。肌着によく使われるアトネスは、一般的なコットンと比べて吸収力・吸湿力に優れたグンゼオリジナルの「ネクストラコットン」を使用しています(グンゼ調べ)。発汗量の多い子どもにとってうれしい素材です。
吸湿性の良い衣類を選ぶ
また、ネクストラコットンはグンゼ独自の製法で、縮みや型崩れしにくい素材ですので、あせも予防のために、こまめに着替えをして洗濯頻度が高くなっても丈夫で安心です。冬場のあせもをはじめ、肌トラブルが気になる方は、ぜひこちらからチェックしてみてください。サイズは、100cmからの展開になります。

部屋の温度調節をする

室内の温度は、夏は26度~28度、冬は20度~22度を目安に調整しましょう。湿度は40%~50%が最適です。
 
赤ちゃんの肌は外気温の影響を受けやすいため、温度が上昇するとともに体温も上昇します。
 
そのため、赤ちゃんや子どもにとって快適な環境になるように、常に整えることが大切です。
 
また、エアコンの使用時は、温度を下げすぎないようにしましょう。
 
エアコンで必要以上に体温が下がると、体調を崩す原因となります。子どもや赤ちゃんに直接エアコンの冷気が当たらないよう、注意してください。

夏場はシャワーや水遊びで体温を下げる

あせもは、汗を多くかいたときに出やすくなります。そのため、あせもを予防するためには、汗をかいたあと、そのまま放置しないことが大切です。
 
汗をかきやすい夏場はシャワーや水遊びをして、体温を下げて汗を洗い流すようにしましょう。
 
夏場であれば、夜だけでなく起床後もシャワーで体を洗い流すと効果的です。 ただし、汚れだけではなく皮脂まで落としてしまう石鹸は、1日1回の使用にとどめてください。

汗をかいたままにせず、すぐにケアをする

赤ちゃんの肌は薄いうえに肌のバリア機能が未発達のため、乾燥しやすい状態です。
 
そのため、入浴やシャワーのあとは、バリア機能をあげるサポートをすることで、あせも予防につながります。
 
入浴後は、すぐにベビーローションなどの保湿剤を使用して、肌を守ってあげるようにしましょう。
 
 

悪化する前に!子どもや赤ちゃんのあせも対策をしていきましょう

あせもは、汗をかいたときに、汗管が一時的につまることが原因で生じます。
 
子どもや赤ちゃんのあせもを予防するためには、汗をすぐにふき取り、肌を清潔にしてから保湿することが大切です。
 
かゆいと掻きむしってしまうことも多いため、患部を冷やすなどして、かゆみを抑えて悪化を防ぎましょう。
 
また、なかなか改善がみられないときや、繰り返しあせもができてしまう場合は、早めに皮膚科などを受診することをおすすめします。
 
【この記事の監修者】
医師・竹内 想
医師・竹内 想
 
国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積みました。その後、大学病院に戻り、皮膚科医としてクリニックでの外来や臨床研究を行っています。AGAを含めた、自由診療の治療にも多く携わってきた経験を活かし、皮膚科の知識について、みなさんに分かりやすく理解していただけるよう、正確さやわかりやすさを心がけた情報発信を行っています。 ※この記事は、正しい情報発信を行うために、医師に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません
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