衣類が縮むのはなぜ?乾燥機を使うと縮む生地と対処法

洗濯の手間を短縮し楽にしてくれる乾燥機ですが、乾燥機にかけると衣類が縮んでしまうとお悩みの方も多いのではないでしょうか。今回は、乾燥機で衣類が縮む原因や対策方法・乾燥機にかける際の注意点などをご紹介します。
なぜ乾燥機にかけると衣類は縮む?

まずは乾燥機にかけるとなぜ衣類が縮んでしまうのか、その理由をご説明します。
1.熱によって繊維が収縮するから
乾燥機は60~80℃前後の熱風をあてることで衣類を乾かします。そのため、熱に弱い素材の場合、繊維が熱によって収縮してしまうのです。
2.乾燥機内の回転で繊維の組織が押しつぶされてしまうから
乾燥機の内部では、洗濯物を激しく回転させています。そのため、繊維の組織が押し潰されてしまい、衣類が縮みやすくなります。
乾燥機で縮む素材・種類の衣類って?

衣類の素材の種類によって、乾燥機にかけたときに縮みやすいものがあります。あらかじめそれらを知っておき、縮みやすい素材は乾燥機を使わないようにしましょう。
乾燥機にかけると縮みやすい素材
1.綿や麻・ウール・絹などの天然素材
綿や麻・ウール ・絹などの天然素材は、乾燥機にかけると縮みやすい傾向があります。
2.ナイロンやポリウレタン
化学繊維であるナイロンやポリウレタンも、熱に弱いため乾燥機で縮む恐れがあります。
3.強燃糸を使用した生地やクレープ・ちりめんなど
これらの生地は乾燥機にかけると形崩れや表面変化を起こすことがあります。
クレープ | ちりめん |
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糸の撚(よ)りが強い強撚糸(きょうねんし)を使い、全体に凸凹を出してシボのある素材です。肌に触れる面が少なくなり、ベタつきにくく爽やかです。春夏向けの肌着やパジャマで使われる生地で、シャリ感があります。 | 縦糸にはほとんど撚(よ)りのない糸を使い、横糸には右回りに撚った糸と左回りに撚った糸を交互に織った、表面にシボのある素材です。主に高級な着物に使われることが多いです。 |
こんな衣類も乾燥機には弱い
1.生地の目が粗いもの
ニット生地のように編み目が大きいものは、乾燥機にかけると縮みやすいと言えます。乾燥機の回転で編み目の隙間が詰まってしまうからです。
2.薄い素材の衣類
裏が透けるような薄いシャツなども乾燥機にかけると縮むことがあります。
3.刺繍やプリントがされている衣類
刺繍がほどこされている衣類は、乾燥機によって刺繍部分が傷む恐れがあります。また、プリントも熱に弱いので乾燥機をかけるにはあまり向いていません。
乾燥機で縮んだ服をもとに戻すには?

1.綿素材の場合
綿素材の衣類の場合、もう一度普通に洗濯を行い、身丈方向のゆがみを少し引っ張り、形を整えてから吊り干し自然乾燥すれば、縮みは改善されます。
2.ウール素材のニットの場合
ウール素材のニット類が縮んでしまった場合は、シリコンの含まれた柔軟剤を利用して洗濯しなおしましょう。そうすれば、縮みを多少直すことができます。柔軟剤を利用する際の洗濯方法は、以下です。
【柔軟剤を使って元に戻す方法】
① 洗面器などにぬるめのお湯を張り、柔軟剤を入れて溶かします。柔軟剤の量は、お湯5リットルに対して5cc程度にしましょう。
② ①にニットを入れて5分ほど漬けます。
③ ニットを取り出して水気をとります。
④ 形を整えながらハンガーにかけて陰干しします。
乾燥機で縮んでしまうのを防ぐコツ

あらかじめ、取り扱い表示記号(洗濯表示)を確認して洗濯物を乾燥機にかけても大丈夫なものと区別しましょう。上の写真の上段一番右、四角と丸が組み合わさったマークが乾燥機の使用可否を示したマークです。この写真の場合は、乾燥機はNGということになります。
乾燥機の取り扱い表示記号(洗濯表示)がない場合でも、「タンブラー乾燥はお避けください」と書かれているものは乾燥機の使用は避けた方が良いでしょう。乾燥機の取り扱い表示記号(洗濯表示)は以下の3種類です。
●低温対応(~60℃)

このマークは、衣類乾燥機の低温使用に対応しているという意味です。
●高温対応(~80℃)

このマークは、衣類乾燥機の高温使用に対応しているという意味です。
●乾燥機不可

こちらのマークがついている衣類は、乾燥機の使用に対応していません。乾燥機にかけると縮みや衣類の劣化の原因になるので、自然乾燥をおすすめします。
乾燥機もOKな、おすすめアイテム

「面倒だからいっぺんに乾燥機にかけてしまいたい」という方や、「雨が続いて洗濯物を外に干せない」という方におすすめなのが、乾燥機を使っても型崩れしにくいthe GUNZEのアイテムです。
the GUNZEは、生地を編む段階から縫製段階に至るまで、生地に余分なテンションをかけず作っているため、洗濯後の縮みが少なく、衣類乾燥機にかけても型崩れしにくいのです。
まとめ
これまで衣類乾燥機にかけたときの衣類の縮みに悩んでいた方は、一度お手持ちの衣類の洗濯表示や生地の特性から乾燥機に対応しているか確認してみましょう。また、干す手間を軽減したい方は、あらかじめ乾燥機で縮みにくい衣類を選択してみてくださいね。