2024.11.15

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【産婦人科医監修】妊娠したらマタニティショーツのご準備を!おすすめショーツと選び方

妊娠すると、ホルモンバランスの変化や赤ちゃんの成長にあわせて体型が徐々に変化します。妊娠前と同じ下着を身につけていると、締め付けで苦しくなったり肌トラブルを起こしたりすることもあるため、妊娠が分かったらできるだけ早くマタニティショーツへ切り替えましょう。

しかし、初めて妊娠される方の中には、どのようなものを選べばいいか悩んでしまう方がいるかもしれません。

そこでこの記事では、マタニティショーツの役割と効果、選び方のポイントを詳しく紹介します。

   

■なぜ必要?マタニティショーツの役割と効果

なぜ必要?マタニティショーツの役割と効果

妊娠すると、赤ちゃんの成長にあわせてお腹やお尻がどんどん大きくなります。そのため、普段の下着ではお腹がぎゅっと締め付けられ、気分が悪くなってしまうことも。

ママと赤ちゃんの健康を損なわないためにも、妊娠が分かったらお腹の部分がしっかり伸びるマタニティショーツに切り替えることをおすすめします。

とはいえ、妊娠・出産は一時的なもの。ママからは「ゆったりしたものなら、マタニティ専用のショーツでなくてもいいのでは?」なんて本音も聞こえてきそうです。

しかし、マタニティショーツには大きくなったお腹をサポートする他にも、さまざまなメリットがあるのです。

・ウエストゴムによる締め付けやかゆみを軽減

妊娠中はホルモンバランスの変化によって、肌がデリケートになります。肌が乾燥し、妊娠前は気にならなかった締め付けや擦れにも「かゆい」「痛い」と敏感に反応してしまうケースも珍しくありません。

その点、マタニティショーツはママの体を考えて作られた専用下着です。穿き込みが深く、ウエスト部分には伸縮性に優れたゴムや素材が使われているので、お腹の締め付けやかゆみを軽減し、敏感になったお肌をやさしく労ります。

・保温することでお腹の張りを軽減できる妊婦さんも

妊娠中に気を付けたいのが「体の冷え」です。体が冷えると、腸の運動に影響し便秘や下痢が悪化する可能性があります。人によってはつわり症状が悪化するかもしれません。

また、子宮の筋肉が緊張してお腹が張りやすくなってしまうこともあるため、お腹をすっぽり覆うものや保温効果の高いマタニティショーツでお腹まわりを温かく包んであげることが大切なのです。

・妊娠中に増える分泌物に対応できる

クロッチ部分が白や淡い色になっているマタニティショーツを身につけておけば、おりものの色や変化、出血が一目で分かり、体の変化に対応しやすくなります。

中には、クロッチ部分に抗菌防臭加工が施されたマタニティショーツもあります。ニオイ以外に蒸れが気になる方は、できるだけ通気性の高いものを選ぶと良いでしょう。

 

医師からの一言コメント
つわりが始まると、下着の締め付けを不快に感じることは珍しくありません。また、妊娠期間を通じてホルモンバランスが変化するといった経緯もあり、乾燥や発疹などの肌トラブル、おりものの変化を感じる妊婦さんもいらっしゃるでしょう。
マタニティショーツには、このようなマイナートラブルを軽減する工夫がたくさん施されています。マタニティショーツを使用することで、快適な妊娠生活を送れる可能性も考えられるでしょう。

   

■知っておきたい!マタニティショーツと妊婦帯・産褥ショーツとの違い

知っておきたい!マタニティショーツと妊婦帯・産褥ショーツとの違い

日々大きくなっていくお腹の変化をやさしくサポートしてくれるマタニティショーツは、普段の下着よりもゆったりとしたものが多く、妊娠中の大きなお腹でも楽に着用できます。

しかし、マタニティ期に身につけるショーツは種類が多く、違いが分からなくなってしまうことも。まずは、出産前に揃えておきたい「妊婦帯」「産褥(さんじょく)ショーツ」との違いを確認しておきましょう。

・マタニティショーツと妊婦帯の違い

お腹のふくらみが目立ってくる妊娠5カ月頃に着用する「妊婦帯」。日本には、12日に一度やってくる「戌の日」にあわせて妊婦帯を巻き、安産祈願を行う慣しがあります。これが「帯祝い」です。

お腹がふくらむにつれて、姿勢も変化し腰への負担も大きくなります。妊娠帯は大きくなったお腹を支えるだけでなく、骨盤を安定させて腰痛を和らげる役割を担っているのです。

妊娠帯は、マタニティショーツの上から着用する腹巻きのような「コルセットタイプ」、骨盤をしっかり支えてくれる「骨盤ベルトタイプ」、昔ながらの長いさらしを使った「岩田帯」など種類も豊富です。

また、「腹帯」や「マタニティガードル」など異なる名前で販売されている場合もあります。ママの体調や体の変化にあわせて、マタニティショーツと併用してみてください。

・マタニティショーツと産褥ショーツの違い

「産褥ショーツ」とは、産後に起こる悪露を受け止めるための防水布または撥水パット付きのショーツです。産後、体を動かすことも大変な時期に、助産師さんがスムーズにパットの交換や悪露の状態を確認できるように前開きになっているものが多いことも特徴です。

出産を終えたママの体には、回復に向けてさまざまな変化が現れます。代表的な変化の一つが、急激な子宮の収縮によって排出される「悪露」と呼ばれるおりものです。

子宮からの出血や粘膜などの分泌物が混ざったもので、月経のような見た目をしています。産後数日間はたくさんの量が分泌され驚いてしまうかもしれませんが、産後1カ月をかけて徐々に減っていきます。

悪露の色や量は産後の子宮の回復具合を測る目安の一つでもあるため、出産後は助産師さんが悪露の状態を確認しやすいよう、産褥ショーツを用意するように産院で指定されることも多いです。

   

■グンゼおすすめのマタニティショーツ

ここからは「初めての妊娠で、何を選べば良いか分からない」というママに向けて、グンゼがおすすめするマタニティショーツを紹介します。

おりものや失禁に対するサポート、肌へのやさしさ、使いやすいデザインなど、先輩ママの「あったらいいな」が詰まったマタニティショーツで快適な産前産後を過ごしませんか?

ウエストゴムのないやさしい穿きごこちのマタニティショーツが登場しました。伸縮性のあるオリジナルカットオフ素材が、大きくなるお腹をしっかりとサポートします。

刺激に敏感なデリケートゾーンは、縫い目のない接着仕様に。凹凸を限りなく減らすことで、摩擦による刺激を防ぎます。

マチ部分には片面撥水加工や消臭機能を採用し、気になるおりものや軽失禁の不快感を軽減し、いつでも清潔な状態をキープ。妊娠初期から着やすいショート丈は、産前産後通して使えるシンプルなデザインが特徴的です。

肌に直接触れるものだからこそ、生地の編立から生産まで国内一貫生産にこだわりました。

冷えが心配なママには、お腹をすっぽり覆うタイプがおすすめです。敏感になりがちな肌を包むように、保湿加工を生地に施し、肌にやさしい着ごこちと風合いを生み出しました。

もちろん、片面撥水加工や消臭機能付きで、デリケートゾーンのケアもバッチリ。腹帯部分の生地を二重にして、下腹部分をほどよくサポートしてくれるマタニティショーツは、妊娠中も仕事や家事を頑張るママの味方です。

   

■マタニティショーツの選び方

マタニティショーツの選び方

大きくなるお腹やヒップをやさしく包み込んでくれるマタニティショーツ。せっかくなら、産前産後長く使える快適なショーツを選びたいですよね。ここでは、ママの負担を軽減するマタニティショーツの選び方を紹介します。

・選び方1. お腹を締め付けないストレッチ素材を選ぶ

妊娠中は、お腹が大きくなっていくにつれて「ゴムがきつい」と感じがちです。そんな時は、ストレッチ性に優れた素材を選んでみてください。

例えば、ウエスト部分にゴムが入っていない「カットオフ素材」なら、座った時に辛いウエストまわりや鼠径部の圧迫が少なく、妊娠初期から臨月まで快適に過ごせます。

・選び方2. はき込み丈の長さから選ぶ

マタニティショーツの形は大きく分けると「深ばきタイプ(ハイウエスト)」と「浅ばきタイプ(ローライズ)」の2種類があり、特徴も異なります。

お腹の冷えが気になる方には「深ばきタイプ(ハイウエスト)」がおすすめです。股上がゆったりした作りになっているので、お腹をしっかりホールドし温めます。

反対に、お腹の締め付けが苦手な方や、産後も長く使い続けられるショーツが良い方は、産前から産後まで使える「浅ばきタイプ(ローライズ)」がおすすめです。腹帯や骨盤ベルトを着用しても、もたつきを感じることなく着用できます。

・選び方3. 自分にあったサイズのものを選ぶ

大きくなるお腹のことを考えると「マタニティ―ショーツは大きめのサイズを選んだほうがいいのでは?」と思いがちですが、妊娠前の体型を参考に、自分に合うサイズを選んでください。

妊娠前のサイズよりも大きめのマタニティショーツを選ぶと、ゆるすぎたり、もたつきが気になったりする可能性があります。

妊娠前のサイズがMサイズであれば、マタニティショーツもMサイズを選ぶようにしましょう。

・選び方4. おりものや失禁に対する「消臭機能」があるものを選ぶ

選び方4. おりものや失禁に対する「消臭機能」があるものを選ぶ

<グンゼ調べ>518名回答

(26歳以上45歳以下の出産経験者、現在妊娠中女性)

妊娠中のおりものや尿トラブルも、ママの頭を悩ませる存在です。

グンゼが行ったアンケートによると「妊娠してからおりものや失禁などデリケートな悩みは増えましたか?」という設問に対し「多くなった」「どちらかというと多くなった」と答えた人は全体の66.6%という結果に。

デリケートな悩みですが、いずれも妊娠中はよくあること。デリケート部分に、消臭加工や撥水加工をしたショーツを選べば、漏れやニオイにも対応でき安心です。

・選び方5. 綿混素材など肌にやさしい素材を選ぶ

ホルモンの変化で、妊娠中は皮膚が乾燥しやすくなります。特にお腹部分の乾燥は、妊娠線ができる原因にも。

保湿クリームなどを使ったスキンケアだけでなく、肌に直接触れるショーツ選びも重要なポイントです。そのため、肌触りのやさしい綿混素材や吸湿力に優れた素材で、妊娠中の肌トラブルを対策しましょう。

他に、ポリウレタン素材もあります。ポリウレタンは高い伸縮性が特徴でフィット感があり、お腹の大きさにあわせてしっかり伸びてくれるのが魅力です。綿よりも強度があるので、繰り返し洗濯をしてもへたりにくいというメリットもあります。

・選び方6. デザインや編み方から選ぶ

編み方 特徴
クロスデザイン
(V字型)
・ウエスト部分がクロス状になっており、締め付けや食い込みを軽減できる
シームレス ・縫い目や継ぎ目がなく(または少なく)チクチク感やかゆみを軽減できる
リブ編み ・横方向の伸縮性に優れており、体にやさしくフィットする

マタニティショーツは素材だけでなく、デザインや編み方によっても穿きごこちが異なります。体型や肌に合ったものを選んでみてください。

・選び方7. 産後も使えるお気に入りの一着を選ぶ

着圧ソックスの選び方

「一時的なものだから」と何となくマタニティショーツを選ぶのは、ちょっぴりもったいないことです。妊娠中はゆったり楽な服装、出産後は育児のしやすい動きやすい服装で過ごすというママも少なくないでしょう。そんな時こそ、着ごこちの良いショーツで、快適に過ごしませんか?

やわらかなニュアンスカラーを採用したおしゃれなマタニティショーツなら、産前産後を通して長く愛せるお気に入りの一着になるはず。マタニティブラとのコーディネートを楽しむのも素敵ですね。

   

■マタニティショーツに関するよくある質問

マタニティショーツに関するよくある質問

妊娠中は、体の変化に伴って心もソワソワしがち。ショーツ選び一つをとっても「これはやっていいの?」「避けるべき?」と、さまざまな不安が浮かんできますよね。気になるマタニティショーツにまつわる疑問を解消しましょう。

・お腹の張りや痛みはなぜ起きる?

お腹の張りや痛みはなぜ起きる?

妊娠初期には、お腹が引っ張られるような痛みや生理痛のような鈍い痛みを感じることがあります。この時期は、心も体も不安定になりがち。お腹にちょっとした違和感があるだけでも、赤ちゃんへの影響が気になってしまいますよね。

ママの子宮は、お腹の中にいる赤ちゃんの成長にあわせて日々大きくなっていきます。その過程で、子宮を支える靭帯が引っ張られたり、子宮が大きくなる際にチクチクとした痛みや違和感が現れるのです。

また、黄体ホルモンの影響によって腸の動きが鈍くなることで、便秘気味になる人も。お通じが良くない場合は、便秘が原因でお腹が張っている可能性も考えられます。

とはいえ、妊娠初期は、まだ胎盤が完成していない状態です。痛みが強い場合や出血が見られる場合は、速やかに産院を受診しましょう。

・マタニティショーツはいつから切り替えるべき?

マタニティショーツはいつから切り替えるべき?

妊娠が分かったら、早めにマタニティショーツに切り替えましょう。お腹が大きくふくらみ始める妊娠4カ月〜5カ月頃が替え時ともいわれますが、妊娠初期から身につけても問題ありません。

妊娠5〜6週頃には、吐き気や頭痛を伴う「つわり」が始まります。辛いつわりを乗り切るためには、とにかく無理をしないことが一番。「つわりが辛い」と感じる場合は、締め付け感のないマタニティショーツに着替えて、心身ともにゆったりと過ごしてみてください。

・お腹が出るショーツは体を冷やすからNG?

妊娠初期から産後まで長く使えるローライズショーツ。「お腹部分が出ている」=「体を冷やす」というわけではありませんが、日頃から「お腹の張り」や「冷え」に悩んでいるなら、おへその上あたりまですっぽりと覆ってくれるタイプがおすすめです。

キャミソールとブラジャーが一体になったマタニティブラキャミと併用すれば、ローライズショーツでもお腹の冷えを対策できますよ。

・市販の骨盤引き締めパンツやガードルは避けるべき?

妊娠中は、お腹を締め付けないことが大切です。引き締め効果のある市販のショーツやガードルは、産後に体調を考慮しながら少しずつ取り入れていきましょう。

・マタニティショーツは何枚用意する?

ブラジャーとショーツをあわせて3〜4セットは用意しておきましょう。妊娠中はおりものの量が増え、汚れやすくなるため、ショーツは多めに揃えておくのが得策。

   

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■妊娠が分かったらマタニティショーツに着替えましょう

妊娠が分かったらマタニティショーツに着替えましょう

マタニティショーツはお腹をやさしくサポートする以外にも、おりものの変化や不正出血に早く気付けたりする効果があります。

妊娠中はホルモンバランスの変化で肌がデリケートになりやすく、かゆみも起こりやすいため、妊娠が分かったら早めにマタニティショーツに切り替えましょう。

着ごこちが良く自分にあったマタニティショーツを選び、できるだけリラックスした気持ちで、妊娠生活を過ごしてください。

 

医師からの一言コメント
妊娠中は、ご自身における身体の変化に驚き、戸惑う方もいるでしょう。
マタニティショーツには、そのような身体の変化や、赤ちゃんの成長をサポートし、快適な妊娠生活を過ごせる工夫がたくさん施されています。
妊娠中は、人生の中でも特別な期間です。ぜひ、ご自身のサイズや好みにあった、お気に入りのマタニティショーツを探してみてはいかがでしょうか。

【この記事の監修者】
医師:佐藤 綾華 (さとう あやか)
所属:東北大学病院産婦人科医局所属
保有資格:日本産婦人科学会 専門医・日本女性心身医学会 認定更年期指導士
2018年に北海道大学医学部を卒業。同年4月より2年間、石巻赤十字病院で初期研修にあたる。その後、東北大学病院産婦人科医局に所属し、仙台市内の各病院で勤務しながら、2023年に産婦人科専門医を取得。今後は、生殖医療、女性医学の分野に進みたいと考えている。
※この記事は、正しい情報発信を行うために、医師に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません
   
【産婦人科医監修】妊娠したらマタニティショーツのご準備を!おすすめショーツと選び方

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