【医師監修】金属アレルギーの方へ!ブラジャーの選び方、金属なしブラジャーを紹介

ブラジャーをつけたときに、ワイヤーやホック部分にかゆみを感じたり、小さなプツプツができたりして困ったことはありませんか?
こうしたトラブルは、「金属アレルギー」が原因かもしれません。
そこでこの記事では、金属アレルギーとブラジャーの関係、そして金属アレルギーの方がブラジャーを選ぶときの注意点を解説します。
また、金属アレルギーの方におすすめのブラジャーについてもまとめていますので、アレルギーに不安を感じる方は、ぜひ参考にしてください。
金属アレルギーの症状とブラジャーとの関係

金属アレルギーとは、特定の金属(ニッケル・コバルト・クロム・水銀・パラジウムなど)への接触によって生じるアレルギー性の接触皮膚炎です。
衣類や装飾品、化粧品などに含まれる金属が汗などの体液で溶け出し、イオン化した金属が体内に吸収されてタンパク質と結合することで発症します。
次項で、金属アレルギーの具体的な症状を確認していきましょう。
金属アレルギーの主な症状はかゆみ
金属アレルギーの主な症状は、金属との接触部位にかゆみを伴うかぶれや、皮膚表面がプツプツと盛り上がる丘疹(きゅうしん)、皮膚が赤くなる紅斑(こうはん)などです。丘疹や紅斑が現れると、小さな水ぶくれや膿疱(のうほう)が生じることもあります。
金属アレルギーの発症を予防するためには、金属との接触を減らすことが大切です。症状が出た部分には、ステロイド軟膏を塗ったり、抗ヒスタミン剤を内服したりするなど、適切なケアを行う必要があります。
また、皮膚症状以外に息苦しさや吐き気、めまいなどの症状が出るケースもあります。異変を感じたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
金属アレルギーの方がブラジャーを選ぶときの注意点

ここからは、金属アレルギーの方がブラジャーを選ぶ際に注意したい、以下3つのポイントを解説します。
- ・金属アレルギーの診療を受け、パッチテストをする
- ・ホックやワイヤーが金属のブラジャーはなるべく避ける
- ・金属なしのブラジャーがないときは、金属と肌が触れ合わないようにカバーする
1.金属アレルギーの診療を受け、パッチテストをする
まずは、金属アレルギーのパッチテストを受けてみましょう。金属アレルギーの原因が明確になれば、その金属が使われたブラジャーを避けることで発症を防げる可能性があります。
パッチテストでは、特殊なシートにニッケル・コバルト・クロムなどの金属アレルギーの原因物質となる金属の試薬を含ませ、そのシートを背中や腕に数日間貼り付けてアレルギー反応の有無を判定します。
シートを貼り付けた部分がかゆくなったり、赤く腫れたりすれば、その金属に対してアレルギーを持っていることになります。
ただし、日頃から抗アレルギー薬を使用している場合は、正しい結果を得られない可能性があるため注意が必要です。パッチテストを受ける前に、その旨を医師に伝えましょう。
2.ホックやワイヤーが金属のブラジャーはなるべく避ける
金属アレルギーが疑われる場合、ワイヤーやホックが金属製のブラジャーを避けるのも一つの方法です。
特定の金属にアレルギーが出てしまうと、その金属によるアレルギー自体を治療することはできません。そのため、原因となる金属に触れる機会を減らし、金属アレルギーの症状が出ることを防ぎましょう。
また、汗をかきやすい夏場や運動時には、金属を身につけないようにすることも大切です。
3.金属なしのブラジャーがないときは、金属と肌が触れ合わないようにカバーする
ワイヤーやホックが金属製のブラジャーしかない場合は、金属が肌に直接触れないように工夫してみてください。
前述のとおり、金属アレルギーは特定の金属への接触によって生じるアレルギー性の接触皮膚炎です。そのため、肌に金属が触れる部分に布製の絆創膏を貼ったり、厚めの布を縫い付けたりしてカバーすると、金属アレルギーの発症を抑えられる可能性があります。
また、金属アレルギー防止のコーティング剤を使用するのも良いでしょう。コーティング剤で金属表面を覆えば、金属が肌に直接触れないようにできます。
金属アレルギーの方におすすめの下着

金属アレルギーの方におすめのブラジャーには主に、以下の3つがあります。
- ・ブラトップ
- ・ハーフトップ
- ・ノンワイヤーブラジャー
次項で、それぞれの特徴と具体的なアイテムを紹介します。
金属アレルギーの方におすすめの「ブラトップ」
まずは、「ブラトップ」の特徴とおすすめアイテムをみていきましょう。
ブラトップの特徴とおすすめポイント
ブラトップは、「カップ入りインナー」とも呼ばれ、タンクトップやキャミソールの内側にカップやパッドが内蔵されているインナーを指します。
下着とインナーが一体化しているため、肩ひもがはみ出したり、下着が透けたりする心配が少ないです。
また、基本的にはノンワイヤーで作られているため、胸部や肩部への締め付けが少なく、楽につけられるものが多いといえます。
完全無縫製のタンクトップは、縫い目がないためチクチク感やかゆみが少ないだけでなく、下着のラインが衣類にひびきにくいです。
伸縮性にもすぐれ、肌ざわりが長持ちするよう耐久柔軟の加工も施しています。敏感肌の方でも使いやすく、衣類を選ばずに着用しやすいアイテムです。
こちらのタンクトップは、特殊な編み方によって裾の縫い目をなくし、肌あたりをフラットにしています。
本体は綿100%で、ストレッチ性があるため動きやすいのも特徴です。また、保湿加工を施した生地により、やさしい肌ざわりとなっています。
金属アレルギーの方におすすめの「ハーフトップ」

「ブラトップ」に続いて、「ハーフトップ」の特徴とおすすめアイテムをみていきましょう。
ハーフトップの特徴とおすすめポイント
ハーフトップは、通常のブラジャーに比べて、締め付け感やバストのサポート力が緩やかなブラジャーです。
ワイヤーやホックはなく、タンクトップなどのインナーの上半分にパッドが取り付けられた形状をしています。
金属アレルギーの方だけでなく、刺激に弱い敏感肌の方にもおすすめです。
完全無縫製のハーフトップは、チクチク感やかゆみが少ないところが特徴で、パッド入れ部分にも縫い目がありません。
ネックラインと裾はきりっぱなしのため、下着の凹凸や段差が浮き出にくいのも魅力の一つです。
こちらのハーフトップは、通気性の良いメッシュ素材を使用しているだけでなく、体の動きにあわせて生地を切り替えています。
また、背筋を意識できるよう、姿勢がくずれると背中に少しだけ違和感が出るように設計しているのもポイントです。金属アレルギーの方はもちろん、猫背が気になる方にもおすすめしたい下着です。
金属アレルギーの方におすすめの「ノンワイヤーブラジャー」
最後に、「ノンワイヤーブラジャー」の特徴とおすすめアイテムを紹介します。
ノンワイヤーブラジャーの特徴とおすすめポイント
ノンワイヤーブラジャーとは、ワイヤーが入っていないブラジャーのことです。
通常のブラジャーには、サポート力を高めるためにワイヤーが使われるぶん、ワイヤーが肌に当たって痛みや締め付けを感じる方が少なくありません。
その点、ノンワイヤーブラジャーは、ワイヤーが肌に食い込むことがなく、跡も残りにくいというメリットがあります。
完全無縫製のノンワイヤーブラジャーは、アンダー部分にも縫い目がないため胸を締め付けにくい仕様となっています。
さらに、ゴムがないカットオフのストレッチレースを使用しているため、肌への圧迫感を減らしながらも、バストをしっかり脇から寄せ、気になる脇肉の段差が目立ちにくいです。
身体の凹凸に馴染む立体成型編みでしなやかに、柔らかくフィットするハーフトップブラです。
左右一体型のピーナッツパッドでバストをきちんと寄せてキレイにみせます。
デコルテ部分は編地の変化でフラットにさりげなくシアーに切替え、胸元を強調しないカッティングにもこだわっています。
金属アレルギーの方はブラジャーの選び方に気をつけましょう
金属アレルギーは、特定の金属への接触によって生じるアレルギー性の接触皮膚炎です。そのため、原因となる金属に触れる機会を減らし、金属アレルギーの症状が出ることを防ぎましょう。
また、これから新たにブラジャーを購入する際は、この記事で紹介した「ブラトップ」「ハーフトップ」「ノンワイヤーブラジャー」を、ぜひ参考にしてみてください。
さまざまなアイテムの中から、TPOや体調にあわせてブラジャーを選んでいきましょう。

2013年防衛医科大学校を卒業後、臨床研修を終了。その後、大阪大学医学部附属病院や自衛隊阪神病院で研修ののち、皮膚科専門医を取得。現在は、皮膚科医として地域の方々の一般診療をメインに、アトピー性皮膚炎や乾癬などの診療にあたっており、執筆・監修などにも力を入れている。
※この記事は、正しい情報発信を行うために、医師に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません