スペシャルインタビュー

こだわる男たち、インナーを語る。

福島ティアモ雄介さん
中川 政七さん
中川政七商店 代表取締役会長

1974年生まれ。京都大学卒業後、2000年に富士通入社。2002年、家業である中川政七商店に入社し、2008年には十三代社長に就任、2018年から会長を務める。「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、2009年より業界特化型の経営コンサルティング事業を開始。現在は奈良県のGDPを上げる「N.PARK PROJECT」を提唱し、数多くの魅力あるコンテンツ創出を目指している。

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メイド・イン・ジャパンの実力
「本物を知る男」が選ぶ進化形アンダーウェア

生地端をカットオフ®️にすることで下着のラインがうつりにくく、ワイシャツ姿がきれいにきまるグンゼの進化形アンダーウェア「SEEK」。日本の技術によって作り出された“名品”をビジネスパーソンの視点から語っていただくため、日本の工芸に精通する中川政七商店を訪れた。

普段から愛用しているSEEK。随所に日本人らしいものづくりを感じる。

1716年、奈良で創業した中川政七商店は、手績み手織りの麻織物や茶道具などを取り扱ってきた老舗。近年は工芸をベースに日本のものづくりの良さを反映した服飾雑貨から生活雑貨まで幅広く手掛けている。代表取締役会長の中川政七さんは、創業300周年の節目に十三代目の名跡を襲名。ブランディング経営講座やコンサルティング、地域活性化事業など様々な事業も手掛けている。そんな中川さんにデザインと機能、そして日本のものづくりを熟知する経営者視点でビジネスパーソンのアンダーウェアへのこだわりを伺いたいと依頼したのだが、すでにSEEKのヘビーユーザーだった。

「このお話をいただいたとき、なんとしてもお受けしたいと思ったんです。だって私、もう何年も愛用していますから」

開口一番、そう口にした中川さんの取材は、奈良市の本社屋で行われた。暮らすように仕事する場所として“未来の町家”をイメージした社屋で、完成した2010年度のグッドデザイン賞を受賞している。用途によって色分けされた6棟の平屋がひとつに連結されていて、内部は天井が高く自然光が降り注ぐ気持ちのいい空間だ。老舗とはいえ、社員の平均年齢は30代と若く、先進的なITベンチャーのようなセンスとスピード感で邁進している様子が見て取れる。

「SEEKが日本のブランドだということは知っています。自分が着る服は日本ブランドを選ぶことが多いんです。SEEKが日本製だから着ているというわけではありませんが、随所に日本らしいものづくりを感じます」

「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げる中川政七商店では、同名称のショップをはじめ、全国に50を超える直営店を展開している。

「私たちは一部の商品を除き、国内ファクトリーと協業することで、ものづくりを行ってきました。しかしそれは海外の職人より、日本の職人が素晴らしいということではないんです。日本でも海外でも技術が優れた職人もいれば、そうでない職人もいる。ただ風習や文化的な背景からか、全体的な傾向として日本は細かい調整や改良改善をコツコツ積み上げていくのが得意だと思います」

定番商品でも使う人のことを考えてより良いものへと進化している。

ファッションが好きで、学生時代は京都のセレクトショップに入り浸っていたと笑う。東京で会社員として勤めていた頃は、スーツにネクタイをきりりと締めていたが、家業を継いでからは紺のジャケットに同系色の紺のパンツ、白いシャツを組み合わせたコーディネートがオンタイムの定番になっている。今日もすべてのアイテムが、日本のブランドからセンスよく選ばれていた。

「インポートの服飾ブランドや雑貨等もたくさん見てきましたが、日本のものはつくりが丁寧で、とても細かいところまで手が入っていると感じます。そして定番であっても、使う人のことを考えてより良いものを目指そうとするのも日本のものづくりらしいところだと思います。SEEKも誕生時からカラーバリエーションやネックの形状、袖の長さなどバリエーションが増えて少しずつ改良されているじゃないですか。そういうところ、個人的にも共感するんです」

SEEKの定番商品である『EE3315』は、「切りっぱなし」でもほつれないカットオフ®生地を採用。通常の肌着が「伏押」(ふせおさえ=ほつれを防ぐために折り返して縫う製法)で生地端に縫い目が出るのに比べ、ネックラインや袖口の肌当たりがゴロつかず、下着のラインもうつりにくい。ボディーはチューブ状で脇縫いがなく、肩はぎはフラットシーム、縫い目を極力なくし、フラット化することで快適な着心地を追求している。

シャツやジャケットのブランドは変わっても、アンダーウェアはいつもSEEK。それも7年前から変わらない中川さんのスタイルだ。

「アンダーウェアが透けるのが許せなくて、会社員時代は素肌にワイシャツを着ていました。でもワイシャツって、汗を吸うようで吸わない。クールビズとか酷暑とか言われるようになってからは、アンダーウェアを着ているほうが涼しいことに気づきまして、その頃SEEKを知ったので、以来ほかを試すことなく着続けています。正しくはほかを試そうとする必要がないくらい自分にとってSEEKは完璧だったので」

最初から最高のものに出合えたことで、中川さんのスタイルは揺るぎないものになっている。

透けないし、速乾。耐久性もいい。語り出したら止まらないSEEK愛。

「SEEKの良いところは話せばキリがないのですが、まずは透けないこと。ベージュの色味が、日本人の肌の色になじむのでしょう。これは長年、下着を手掛けてきたグンゼならではですね。次に速乾性。ワイシャツが汗を吸うと肌にぴったり張り付いてキモチわるいけど、SEEKは吸汗速乾性に優れているので夏でも快適です。休日はTシャツの下にも着ていますよ。それから着丈が長いので、かがんだ時にウエストから肌が出ないところもいいですね。あとは耐久性もすごくいい。洗濯回数を重ねても表面が毛羽立ってくることがないので、買い替え時期がわからないくらいなんです」

“SEEK愛”を語りだすと、言葉が次々と紡がれる。それほどまでにほれ込んでいるという。

「これだけSEEKを愛用しているので、SEEKの短所も話せます。ベージュの肌着はワイシャツを脱いだときに、どうにも見え方がカッコよくない。こればっかりは仕方ないので、ジムの更衣室で脱ぐときは、シャツと一緒に脱ぐようにしています(笑)」

そう笑いながら話す中川さんに、新商品のカモフラージュ柄で透けにくいSEEKがラインアップにあることを伝えると、「それ、ぜひ、着てみたいです!」と目が輝いた。誕生から17年、SEEKは少しずつ進化を遂げている。

「定番も少しずつアップデートして、より良いものを目指す」と中川さんが指摘したように、日本の工芸をアップデートしながら現代の暮らしに寄り添うものづくりをしてきた中川政七商店の考え方と響き合うものがある。

中川政七商店が日本の工芸を元気にするように、SEEKは日本のビジネスパーソンを元気にしたいと考えている。

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