1. TOP
  2. コラム
  3. コラム02 こだわってこだわらず

Column コラム

Column02 こだわってこだわらず

お洒落をする楽しさは、なんといっても自分の描くセルフイメージ(自己像)を実現していくことです。その点、お洒落はわがままな行為でもあり、一貫したこだわりや思い込みも必要なのだといえます。

また、お洒落には「変わる(変える)」ことでの面白さもあります。これまでこだわっていたスタイルに違うものを足して、新しい自分の印象に気付く。「似合わない」と思っていたものが、着続けるうちに似合うようになる。そうした変化による発見もお洒落の魅力のひとつです。お洒落を変えることは、お洒落の幅が広がることです。自分の基準や価値観の幅が広がることでもあります。

一方、お洒落ではこだわりも大事ですが、柔軟性も必要です。自分のイメージを作り上げようとする思い。そのイメージを固めようとする思い。さらに固定したイメージを変えようとする思い。それらの思いの間を軽やかにゆき来するしなやかさもまた、お洒落の楽しさであり面白さなのです。いわゆる“大人のゆとり”とは、そういうことだと思います。

人には、それぞれ個人差はありますが、おおよそが40代頃から日常の会話や態度や考え方に落ち着きが出始めます。その人らしい、大人の自己像が固まってきます。そんな中で、その「大人像」に満足することなく、さらに新しい自己像を求めてステップアップする柔軟性に富んだ人もいます。

それまでの様々な経験によるこだわりや思い込みから逃れ、新しい自己表現を身に付けたり受入れていくのです。すると、やがて着こなしや身のこなし、会話や思考に“軽(かろ)み”が出てきます。大人の“落ち着き感”にやわらかな感性が加わり、“遊び心”のある雰囲気が自然に表われてきます。それこそ、お洒落の深い味わいです。禅問答のようですが、「こだわることも大切ですが、こだわらないことも大切」というわけです。

人は、こだわることで何かを捨てたり選んだりします。思い込むことで何かを疑ったり信じたりします。ですが一方で、人はこだわりや思い込みを捨てて、新しいモノやコトを受入れ自分を変えたりもするものです。

例えば、〈SEEK〉です。〈SEEK〉の技術やスタイルの特長のひとつである、カットオフ®(切りっぱなし)をみて、“ほつれ”を気にしたり、“華奢”な感じを持たれるかもしれません。ですが、実際に着用してみて、それが思い込みだったことに気付かれた方も大勢います。先入観がなくなりカットオフ®の“良さ”を実感したのです。

人は、思い込みを捨てて新たなものを受入れると、精神や感性に広さや深味が出てきます。どこか自由で開放的な気分になります。それは、〈SEEK〉を着用したときに感じるファースト・インプレッションと同じです。

お洒落とは、「こだわって、こだわらない」こと。そういう意味で、お洒落は自分の柔軟性を図るバロメーターといえるのかもしれません。

Back Number

  1. Column01 ココチの肌着

    自分では触ることができない背中などの感触。そういう感触が感じ…

    詳しくはこちら
  2. Column03 肌色という大人の感性

    肌色から受ける印象をキーワードにすると、「ナチュラル〜上品〜…

    詳しくはこちら
  3. Column04 移ろう季節を着る

    衣服と季節の関係を表す日本らしい言葉に、合服(あいふく)とい…

    詳しくはこちら

SEEK Collection

PAGE TOP